連邦政府=襲撃事件1周年で式典=「揺るぎない民主主義」=前大統領派知事ら不参加

連邦政府が、三権中枢施設襲撃事件から丸1年となる1月8日に、三権の長や当局関係者、市民社会の代表らが集う式典を開催する。これに対し、野党側や大統領選出馬が囁かれる知事たちが出席しない意向を見せている。4日付フォーリャ紙(1)(2)などが報じている。
これは、昨年1月8日の同襲撃事件のようなことを二度と起こさないためのイベントとして、連邦議会を会場に500人ほどの招待客を招いて行われる予定だ。イベント名は、最高裁が開始したキャンペーンのモットー「揺るぎない民主主義(デモクラシア・イナバラーダ)」をそのまま使った。
これは、大統領選の結果を不満とするボルソナロ前大統領の支持者たちが大統領府、連邦議会、最高裁に侵入し、施設内の歴史ある備品や設備に対する破壊、略奪行為を行ったことを思い起こし、民主主義国家の根幹に立ち返るために行われるものだ。
式典は上院が主催し、ルーラ大統領(労働者党・PT)やアルトゥール・リラ下院議長(進歩党・PP)、ロドリゴ・パシェコ上院議長(社会民主党・PSD)を始め、最高裁判事や連邦検察庁長官、連邦政府の閣僚、連邦議員、公社の最高責任者、連邦自治体の知事や州都などの市長も招かれている。
ルーラ大統領は年末に行われた最後の閣議でこの式典に言及し、全閣僚に参加を求めた。知事や市長などへの招待状は昨年の最終週の時点で送付済みで、大統領府からは社会運動や組合のリストも上院に送られた。
この式典には、襲撃事件の当日やその前後の職務内容を問題視された連邦道路警察や連邦直轄区保安局、大統領府安全保障室(GSI)の関係者も参加することになっている。
パウロ・ピメンタ大統領府通信局長官によると、式典の詳細は近日中に発表されるとのことだ。
だが、数人の知事はすでに、この式典への不参加を表明している。タルシジオ・デ・フレイタス・サンパウロ州知事(共和者・RP)は、年末から1月8日までを欧州で過ごしており、欠席する。同知事はボルソナロ前大統領の後継者の筆頭とも見られている。
また、サンタカタリーナ州のジョルジーニョ・メロ知事(自由党・PL)やパラナ州のラチーニョ・ジュニオル知事(PSD)も先約があるとして不参加を表明済みだ。両者は共にアンチ・ルーラ派だ。
南大河州のエドゥアルド・レイテ知事(民主社会党・PSDB)は休暇中。22年12月に心臓の手術を受けたゴイアス州のロナウド・カイアード知事(ウニオン)は、健康診断を理由に欠席を伝えている。両者は共に2026年の大統領選に出馬との噂が囁かれている。
ミナス・ジェライス州のロメウ・ゼマ知事(ノーヴォ)も出席が微妙と見られている。同知事は昨年の襲撃事件後に行われた連邦政府と知事との会談で、ルーラ大統領に反論したりしている。同知事も26年の大統領選への出馬が有力視されている存在だ。
知事たちに関してはブラジリア行きの費用を自費で賄うよう指示されており、予てから反発が予想されていた。