貿易収支黒字額で新記録＝前年比60％増の988億ドル

　商工開発省が５日、２０２３年の貿易収支黒字額は９８８・３８億米ドルで１９８９年の統計開始以来の新記録を更新、営業日１日あたりの金額も前年比で６０・６％増という新記録を樹立と発表したと同日付Ｇ１サイトなど（１）（２）（３）（４）（５）（６）が報じた。
　貿易収支黒字額の新記録更新は、輸出が前年比で１・７％増の３３９６・７３億ドルで新記録だった一方、輸入は１１・７％減の２４０８・３５億ドルに止まったためだ。

　貿易収支黒字額の新記録達成は比較的早い時期から言われていたが、最終結果は、中銀の経済動向予測調査フォーカスが予想した８１３億ドルや商工開発省が１０月に出した９３０億ドルという予想を大幅に上回った。
　１２月の貿易収支黒字額は９３・６億ドルで、１営業日あたりの額は前年同月比で１２７・１％増え、同月の月間黒字額の新記録を更新した。１２月の輸出は２８８・３９億ドルで、１営業日あたりの額が前年同月比で２・１％増えたが、輸入の１９４・７９億ドルは同基準で１１・３％減少した。
　貿易収支黒字額の新記録更新は、穀物収量の新記録更新などで、農産物を中心とする輸出量が８・７％増えた結果だ。ただ、コモディティの国際価格下落で単価が平均で６・３％低下し、総額は１・７％増に止まった。
　輸入も、原油やその派生品の価格低下を受け、輸入単価の平均が８・８％低下した上、輸入量も２・６％減少。輸入額は１１・７％減少となった。
　ジェラルド・アルキミン副大統領兼商工開発相は、世界的な輸出の伸びはコモディティ価格低下や経済成長減速で０・８％に止まっており、ブラジルは１０倍以上伸びたと称賛した。昨年は大豆や砂糖、牛肉、トウモロコシ、鉱業用の機械類の輸出が新記録を更新したことや中国やインドネシア、メキシコ、ベトナム、アルゼンチン、ウルグアイ、パラグアイへの輸出が伸びたこと、中国向け輸出は１０５７億ドルで初の１千億ドル超えを果たしたことも明らかにした。
　今年の輸出目標額は昨年比で２・５％の３４８２億ドル、輸入は同５・４％増の２５３８億ドル、黒字は昨年比で４・５％減の９４４億ドルと見られている。輸入増は、経済活動の回復と消費増を見越したものだ。