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1月8日式典=ルーラが事件厳しく糾弾=三権の長ら500人出席=反対勢力、政治利用と批判

2024年1月10日

8日のルーラ大統領(Fabio Rodrigues Pozzebom/Agencia Brasil)
8日のルーラ大統領(Fabio Rodrigues Pozzebom/Agencia Brasil)

 三権中枢施設襲撃事件から丸1年の8日午後、連邦議会で連邦政府主催のイベント「揺るぎない民主主義(デモクラシア・イナバラーダ)」が開催され、行政、立法、司法の長らが一堂に会し、民主主義擁護の姿勢を新たにした。ルーラ大統領は「民主主義を攻撃する者には容赦はない」と厳しく言い切った。同日付G1サイト(1)(3)やフォーリャ紙(2)(4)などが報じている。
 式典は8日の15時から行われ、連邦議会には約500人が詰めかけた。参加したのは連邦政府の閣僚、最高裁判事、下議、上議の代表に州知事や州都クラスの市の市長、連邦検察庁、公社の最高責任者などだった。
 式典はファチマ・ベゼラ・リオ・グランデ・ド・ノルテ州知事のスピーチではじまり、三権を代表し、ルーラ大統領、ロドリゴ・パシェコ上院議長、選挙高裁長官を兼ね、同襲撃事件の捜査や裁判の責任を負うアレッシャンドレ・デ・モラエス最高裁判事らがそれに続いた。
 ルーラ大統領はそのスピーチで、「昨年1月の襲撃に関しては、具体的に実践した人、計画を立てた人、資金を渡した人、全てが罰せられなければならない。民主主義、国家、国民に対する犯罪は許されない。それを許すことは罰せられないということになるが、そうした甘い姿勢が次のテロリズムを生むのだ」と強く主張した。
 大統領はさらに、議員、知事、判事、兵士、多くの国民の勇気を讃え、「このような勇気が今日、独裁主義に対する民主主義の勝利を祝うことを保証した」と語った。
 ルーラ氏はまた、警備に当たっている軍や軍警らを褒め称え、「価値観の違いがある中でファシズムなどに流されることなく、民主主義を通して違いを乗り越えることを選択している国民に感謝したい」とし、「民主主義をより完璧なものとするために貧困と社会格差をなくすことに協力してほしい」と訴えた。
 続いて演説を行ったパシェコ上院議長は、「われわれは少数派に対しても、対話という形で常に主張に耳を傾けようとしている。だが、暴力、ましてやクーデターで国民の意思を脅かすやり方は認められない」と語り、襲撃者を「民主主義の敵」と呼んだ。
 また、モラエス選挙高裁長官は、「平和や団結が乱れるのを恐れて刑罰を与えないことなど、あってはならない」と語り、襲撃者たちに厳罰を科すことを肯定し、約束した。
 最高裁の襲撃事件への態度は特に厳しく、ルイス・ロベルト・バローゾ長官はこの式典の前に最高裁で行われた別の式典で、「襲撃事件を決して忘れない」と宣言。襲撃者たちの不寛容や選挙結果の軽視、制度への破壊的な暴力を強く批判し、襲撃者は「偽愛国者」「偽宗教者」とした上で、クーデター行為は「最も深刻で悲惨な精神の敗北」を示しており、こうしたことが2度と起こらないよう、厳しく処罰することで社会に真の平和の時が来たと述べた。
 一方、アルトゥール・リラ下院議長はアラゴアス州の家族の体調不良で看病を理由に欠席。また、同議長所属の進歩党(PP)や社会民主党(PSD)、ウニオン、共和者(RP)といった中道勢力「セントロン」の議員にも、「議会閉会中による休暇」を理由に欠席する人たちが多く見られた。
 カルタ・カピタル(5)によると、前回大統領選で落選した左派シロ・ゴメス氏は「選挙結果を認めずに発生した破壊行為には大きな責任があり、処罰されるべきなのは当然。だが今回の式典のように、嘆かわしい事件を政治利用するのは不誠実な行為」と批判した。
 またヴェージャ誌(6)によると、次期大統領右派候補とみられるミナス州のロメウ・ゼマ知事は参加するために首都まで駆け付けた。「私は民主主義に完全に賛成だ。破壊行為をしたものには厳罰が当然。だが今回の式典が政治利用だと分かったので、出席は取りやめる」と急きょキャンセルした理由を発表した。
 27連邦自治体のうち、式典に出席したのは半数以下の12知事だった。


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