国勢調査=パルドが白人を超える=人口構成に新たな変化

2022~23年にかけて行われた国勢調査の結果、パルド(褐色)が白人を超え、人口比率が最多となったことが判明したが、パルドの概念そのものも変化しているという。
パルドの数が白人の数を超えたことは12月22日に地理統計院(IBGE)が発表し、G1サイトなど(1)(2)(3)(4)が報じた。それによると、22年の国勢調査では約9210万人(人口の45・3%)がパルドと自己申請した。以下、白人約8820万人(43・5%)、黒人約2060万人(10・2%)、先住民約170万人(0・8%)、黄色人種約85万人(0・4%)と続く。

パルドの数は、1872年に行われた初回の国勢調査で人口の38・3%を記録し、人口の38・1%だった白人の数を上回っていた。だが、パルドの割合はその後減少。1949年には21・2%まで減った。それ以降は、2000年調査で一時的に減少した以外は増加が続き、前回の2010年調査では、43・1%だったパルドと7・6%だった黒人を合わせた数が初めて過半数となった。
他方、白人の割合は初回調査後に増え続け、1949年には63・5%に達したが、その後は2000年調査で一時的に増えた以外は減少が続き、47・7%だった前回調査ではパルトと黒人の合計を、43・5%だった今回調査ではパルドの数を下回った。
パルドの割合が最も高いのは北部で、67・2%がパルドだった。白人が最も多いのは南部で、72・6%が白人だった。北東部では黒人が人口の13・0%を占めていた。州別に見ると、パルドの割合が最も高いのはパラー州の69・9%、白人の割合が最も高いのはリオ・グランデ・ド・スル州の78・4%で、黒人の場合はバイア州の22・4%が最高だった。また、22年の場合、パルドの35・7%、白人の48・0%が南東部に住んでいた。
また、パルドが最も多い市は全体の58・3%の3245市、先住民が最も多い市は33市で、黒人が最も多い市は9市のみだった。
また、前回調査より人口が増えたのはパルドと黒人、先住民で、白人と黄色人種は減少した。
パルドが主流の年代は44歳までで、45歳以上は白人が主流であることも分かった。
なお、9日付G1サイト(5)によると、国勢調査の初期は、2種以上の人種の混血者がパルドとされたが、黒人、白人、黄色人種のいずれにも属さない人がパルドとなり、先住民という区別がなくなった時期もあった。先住民の数が再集計されるようになったのは1991年からで、この年は黒人の割合が5%に落ちた。黒人の割合はその後右肩上がりで増え、22年は10・2%など、調査によって基準が違うことや大学などでの人種枠採用なども人口構成上の比率の変化に影響を与えているようだ。IBGEは現在、2030年調査で採用するべき基準を検討中だ。