リオ州=豪雨で12人以上死亡=リオ市周辺で甚大被害=避難多数、非常事態宣言

リオ市大都市圏では13、14日にかけて豪雨が降り、リオ市長が緊急事態を宣言したのを始め、周辺地区でも甚大な被害が出ている。この雨による死者は12人で、行方不明者も2人報告されている。14、15日付G1サイト(1)(2)、CNNブラジル(3)などが報じている。
リオ市大都市圏の雨は13日午前中に降り始め、14日に激しさを増した。特に、リオ市北部やその周辺部では24時間で260ミリを超える雨が降り、3日間で月間降水量を超えた市も3市出る事態となった。
これを受け、リオ市のエドゥアルド・パエス市長は14日早朝、ブラジル大通りや市北部には行かないよう、SNSで市民に呼びかけた。
「(北部の)フルミネンセ海岸部が一番危険にさらされている。皆に協力してほしい。ロナウド・ガゾーラ病院は停電中だ。状況は危機的だが、なんとか運営している」「外出は極力控えて」と同市長は伝えている。
パエス市長は14日午後3時に非常事態宣言を発令した。強度は5段階中、上から2番目の「4」だった。これは同日夜まで保持された。
だが、パエス市長らの呼びかけもむなしく、リオ市やその周辺市では15日までに12人の死亡が確認されている。
リオ市では、14日7時25分に市北部アカリ地区で浸水被害に遭った自宅で溺死していた男性の遺体が回収された。市北部のリカルド・デ・アルブケルケとパヴーナでは男女各1人が土砂崩れに巻き込まれて死亡。パヴーナで濁流にのまれて行方不明だった男性は、15日にバイシャーダ・フルミネンセで遺体となって見つかった。
また、サンジョアン・デ・メリチ市では3人の遺体が発見された。内1人は感電死、別の1人は溺死だった。同市では子供が1人、行方不明になっている。ノヴァ・イグアスー市でも、路上生活の女性1人を含む3人の遺体が2地区で見つかっており、避難所への退避者が15人いる。同市も非常事態宣言を出した。
コメンダドール・ソアレス市では溺死者が1人出ており、ドゥッケ・デ・カシアス市では感電死者1人を確認の上、もう1人死亡との報道も出ている。
また、ベルフォルド・ロショ市でも女性が1人行方不明になり、100人以上が3カ所の避難所に退避しており、緊急事態宣言が出た。ニテロイでも被害の報告がなされている。
リオ大都市圏では13~14日だけで消防への通報が180件以上あった上、避難警報が16地区で29回出た。交通も乱れ、リオ市ではバス路線10線が運休となり、地下鉄2号線のパヴーナ〜コエーリョ・ネット間4駅が閉鎖された。
また、リオ市北部の病院で停電のみならず、駐車場や手術室が水浸しになる被害が起きるなど、医療機関でも混乱が生じた。14日に実施予定だった採用試験その他の試験もキャンセルされた。
さらにリオ市北部では軍警の第9大隊でも、外に駐車してあった特別部隊の車などが水に浮かぶ場面も見られた。
ルーラ大統領は14日、パエス市長やベルフォルド・ロショのワギーニョ市長らに電話を入れ、連邦政府から援助できることがないかと尋ねている。大統領はヴァルデス・ゴエス地域統合開発相やウェリントン・ジアス飢餓対策・家庭社会支援・開発相とも連絡を取っており、ゴエス氏を現地に派遣する意向だ。
また、フロリダ州マイアミに滞在していたクラウジオ・カストロ知事も休暇を切り上げ、帰国。15日には代行者のチアゴ・パンポーリャ副知事に替わり、対策会議も開催。被災者に関する会見も行っている。