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ミレイ「ブラジルと大人の関係を」=ダボスで過激発言封印=ルーラ、ハダジは欠席

2024年1月19日

ダボス会議でのミレイ大統領(X)
ダボス会議でのミレイ大統領(X)

 スイスで開かれているダボス会議の席で、アルゼンチンのハビエル・ミレイ大統領は「南米の社会主義を市場の自由で終わらせたい」と語る一方、「ブラジルとは大人の関係を続けたい」との発言を行った。17日付G1サイト(1)、フォーリャ紙(2)、エザーメ(3)などが報じている。
 ダボス会議は世界経済フォーラムが毎年1月にスイス東部のダヴォスで開催する年次総会で、世界中の国家元首や名だたる企業家らが集まる。昨年12月に就任し、経済学者でもあるミレイ大統領が、初めての国外行事として選んだのがここだった。
 ミレイ氏のダヴォス会議参加は予てから注目度が高かった。それは、同氏が選挙キャンペーン中から、超リベラル主義の観点から、中国を始めとする社会主義への度重なる批判や、中銀廃止などの過激なアイデアを提唱していたためだ。
 ミレイ大統領はこの日に行ったスピーチでも、「2030年の社会主義的アジェンダに汚染されたフォーラムに自由のアイデアを植え付けるために来た」と息巻いた。
 ミレイ氏はここでも、南米について、「社会主義的な考えが貧困を生みだしてきた」と批判。「自由企業資本主義こそが貧困や飢餓を終わらせるための唯一の道」との持論を展開した。
 ミレイ氏はさらに、「西洋社会を危機に陥らせている」として、国家が生産手段の集約化や計画化を行う集産主義を批判。国の役割を減らす方向で考えていることを述べた。
 また、「メルコスルを再活性化させていきたい」と、キャンペーン時と異なる言動を行い、注目された。また、中国、そしてブラジルやチリといった左派政権の国との関係を絶つことは「ばかげている」と語ったことも選挙時と異なっていた。
 だが、BRICSへの参加に関しては、「政治的な団体であり、経済的なものではない」との観点から、関心を示さない、従来の姿勢を貫いている。
 また、スピーチ後の質疑応答でグローボニュースのジャーナリスト、ビアンカ・ロシエル氏が「これからもブラジルとの関係を続けていくか」と質問すると、「ビジネスは大人の関係として続けていく」とし、「共にOECD(経済協力開発機構)入りを目指したい」と語った。
 その答えに対し、「それは難しいことではないのか」との再質問を受けたミレイ氏は、「人生で簡単な事など、何もない」と語った。
 今回のダボス会議ではミレイ大統領から思いがけない発言が飛び出したが、ブラジルからはルーラ大統領もフェルナンド・ハダジ財相も参加していない。その間、ルーラ大統領は10月の市長選対策で北東部巡りを行い、ハダジ氏は連邦議会でのデゾネラソン法案の対策を練っている。連邦政府で参加したのはマリーナ・シウヴァ環境相やニジア・トリンダーデ保健相、バローゾ最高裁長官などで、経済閣僚は不在だった。
 ルーラ大統領とハダジ財相のダボス会議欠席には、財界から批判の声も上がっている。


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