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ルーラ=議員割当金減で議員反発=選挙基金は満額承認だが=議会が拒否権の拒否検討

2024年1月24日

ルーラ大統領(Marcelo Camargo/Agencia Brasil)
ルーラ大統領(Marcelo Camargo/Agencia Brasil)

 ルーラ大統領は22日、2024年の年間予算法(LOA)を裁可するにあたって拒否権を行使し、委員会を通して請求する議員割当金56億レアルを削減した。これに対し、議会からは反発の声が上がっており、大統領が行使した拒否権の拒否が審議される可能性がある。22日付フォーリャ紙(1)が報じている。
 この決定は22日付連邦政府官報で発表されている。それによると、大統領は統一地方選(市長・市議選)に向けた選挙基金に50億レアルを回すことに決めている。これは、連邦議会が承認した通りの金額だ。
 だが、大統領はその選挙年に、連邦議員が委員会を通して要求する議員割当金から56億レアルを削っている。議員割当金は、個人が請求するものと、州や議連といったグループで請求するもの、委員会を通して請求するものの三つに分かれている。
 昨年末に議会が承認したLOAでは、委員会を通して請求する割当金に530億レアルが割かれていたので、削減したとしても、過去最高の約475億レアルが残ることにはなる。今回の削減額は、議会が承認した金額から約1割を差し引いた額として考えられたという。
 ルーラ大統領は22日、大統領府で閣議を開き、今回の削減分は1年を通じて上議や下議に還元されることになると語っている。だが、その還元法は明言されておらず、具体的に何になるのかは語られていない。
 この件に関しては連邦政府も不平が出ることを予想しており、連邦議会の政府リーダーのランドルフ・ロドリゲス上議も、「最悪の場合、議会側が拒否権を拒否する可能性がある」と認めている。
 22日の会議には予算案審議時の報告官のルイス・カルロス・モッタ下議(自由党・PL)も出席しており、帰り際に「次の機会までに連邦政府が解決策を出さないようであれば、拒否権を拒否するしかない」と、不満をあらわにした。
 連邦議会が政府側に予算に関する不満を示しているのは議員割当金だけではない。連邦政府は昨年12月末に、デゾネラソン(税軽減法)延長による税収減を補うため、新たに3つの税収を確保するための暫定令(MP)を発表。これに対し、議会側は「議会の総意で決めたことを骨抜きにしかねない」とし、強い不満を示していた。
 また、先週は、前政権で決めた、宗教団体などに対する徴税時の便宜を認めない決定を国税庁が出しており、それも議会内の福音派グループを強く怒らせていた。このため、連邦議会はそれを埋め合わせるための別の対策を講じる必要にも迫られていた。
 連邦議会の政党リーダーたちは、今回削られた割当金が、2022年に廃止された、予算審議時の報告官の裁量で支出が認められる議員割当金のような役割を果たすと思って期待していたことを認めている。ボルソナロ前政権時代、報告官の裁量による予算の開放は別名「秘密予算」と称されており、連邦政府が大事な法案を承認させたい時に用途も示されずに支給されていた。秘密予算は「合法的な賄賂だ」と批判する向きもあり、最高裁の全体投票で違憲とされ、廃止された。
 この反応を見て、ルーラ大統領は、この56億レアル分を埋め合わせるための法案を2月にも出す意向とされている。大統領は昨年中、左派勢力の少ない中、議員割当金の開放や役職を与えるなどしてセントロン勢力を取り込むなど、議会運営に苦労してきており、それを壊すようなことができない立場にある。


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