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連警=ボルソナロ次男を捜査=情報庁機密を違法入=前大統領が疑惑否定直後

2024年1月30日

カルロス氏(Renan Olaz/CMRJ)
カルロス氏(Renan Olaz/CMRJ)

 29日朝、連邦警察による捜査が行われ、ボルソナロ前大統領の次男でリオ市議のカルロス氏(共和者・RP)も捜査対象となった。同氏は、25日に捜査されたブラジル情報庁(Abin)の外部に並行して作られていたとされる不法な組織を指揮し、この組織が入手した情報の提供を受けていたと見られている。同日付CNNブラジル(1)などが報じている。
 この日の家宅捜査対象となったのは、カルロス氏のリオ市議事務所やリオ市バラ・ダ・チジュッカの自宅、さらに、ボルソナロ一家がリオ州海岸部アングラ・ドス・レイスに所有する別荘などだ。
 今回の捜査の際、ボルソナロ前大統領と長男フラヴィオ上議、カルロス氏、三男エドゥアルド下議はこの別荘に滞在していたが、捜査の時間帯にはその場にいなかった。
 今回の捜査は、Abin元長官のアレッシャンドレ・ラマジェン下議らに対する捜査の際に問題の一つとされた「並行Abin」に関するものだ。この疑惑は、ボルソナロ政権で大統領府秘書室長官も務めていたグスターヴォ・ベビアーノ氏が2020年に急死した1週間ほど前に、「カルロス氏がAbin外部に並行Abinを作ろうとしている」と発言した際から疑惑が浮上していた。
 カルロス氏はこの当時、リオ市議でありながら大統領府に頻繁に出入りし、影の通信組織「憎悪部隊(ガビネッテ・デ・オジオ)」を率いていたと言われていた。
 ボルソナロ氏と3人の息子は28日夜、この別荘に集まり、ライブを放送。そこでは、同一家と家族ぐるみの付き合いがあるラマジェン氏を褒め称える一方、並行Abinに関しては「作り話だ」と主張した。捜査が行われたのは、それから一夜明けた翌朝のことだった。
 グローボニュース(2)(3)によると、カルロス氏関連の住所の一つからはAbinのコンピューターが見つかったという。ボルソナロ前大統領の広報役のファビオ・ワインガルテン氏は、「そのようなものは見つかっていない」と、これを否定する声明を出している。
 今回の捜査の最大の目的は、カルロス氏がこの並行Abinを使ってAbinからの情報を違法な形で得ていたかどうかを調べることにある。Abinはボルソナロ前大統領政権時、イスラエルのコグナイト社のソフト「ファースト・マイル」などを使い、1800人ものジャーナリストや当時の野党政治家、裁判官などに対する盗聴行為や位置情報の監視活動を行っていた疑惑があがっている。
 なお、今回の捜査は、Abinが不法に入手した情報の受信者や受益者を特定し、政治中核に迫るためで、アングラ・ドス・レイス以外でも、カルロス氏やその側近などに関連する場所(リオ市5カ所、ブラジリアやゴイアス州フォルモーザ、バイア州サルバドール各1カ所)が捜査対象となった。その一人でラマジェン氏元側近のジャンカルロ・ゴメス・ロドリゲス氏の住所からは、Abinのコンピューターと10個の携帯電話が押収されている。
 連邦警察はカルロス氏を召喚して事情聴取を行うことが確実視されている。UOLサイト(4)などは、連警はカルロス氏が連警での捜査に関する詳細な情報をAbinから受け取っていたことを確認しており、Abinがカルロス氏の要請に応じる機密文書を作成していたかなども捜査する意向といった報道も行っている。


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