デング熱=ミナス州も非常事態宣言=サンパウロ州の死者は4人に増加

【既報関連】今年最初の3週間に登録された全国のデング熱の疑似症患者は23万874人で、昨年同期の4万4753人を170・1%上回る急増ぶりで、同期間中の疑似症患者数が昨年同期比で646%増に達した連邦直轄区に続き(27日付弊紙記事(1)参照)、ミナス州でも非常事態宣言が出た。
27日付G1サイト(2)によると、ミナス州での26日までの疑似症患者数は2万1573人で、22日の発表より87・75%増えた。また、確認済みの死者は1人だが、34人の死因も確認中だ。
同州では、デング熱同様にネッタイシマカが媒介するチクングニヤ熱の患者も5867人報告されており、死者も1人出ている。
27日付アジェンシア・ブラジル(3)によると、最初の3週間で確認されたデング熱患者は1万1490人、チクングニヤ熱患者は3067人だ。デング熱のウイルスは1型が大半だが、15年以上見られなかった3型も確認されたという。
27日付G1サイトなど(2)(4)疑似症患者急増や死者発生を受け、ロメウ・ゼマ知事は27日に非常事態を宣言。官報にも掲載した。同州保健局長のファビオ・バシェレッチ氏によると、状況が特に深刻なのは州中央部やベロ・オリゾンテ市、州内陸部のヴァレ・ド・アッソ地域だ。
非常事態を宣言すると、指定された病気の蔓延防止のための全ての措置や支援実施が可能で、必要な資材なども入札を経ずに購入できる。
同局長は、デング熱患者は急カーブを描いて増えるため、早急に対策を講じる必要があるとし、ベロ市の感染のピークは2月末との考えも表明した。非常事態宣言適用期間は180日間だ。同州はベロ市など22市がデング熱の予防接種の対象となっている。
また、ミナス州同様、週末に報道が続いたのは、サンパウロ州のデング熱による死者が4人に増えた件だ。27日付G1サイトなど(5)(6)(7)によると、1~20日のデング熱による死者は、ベベドウロとジャカレイー各1人、ピンダモニャンガバ2人だ。
また、同州では22年の患者は33万1520人で死者は292人、23年には32万541人が感染して287人死亡でわずかに減っていた。だが1~20日の登録患者数1万728人は、645市で4千人強だった昨年同期の倍以上であり、今年は状況がかなり悪化しそうだ。
サンパウロ市限定だと、昨年の感染者は前年比で20%増の1万1929人だったが、死者は80%増の10人だった。19年は23年より感染者が多かったが、死者は3人で70%少ない。これは、再感染で出血性デング熱を起こした人が増えたせいだと思われる。
サンパウロ市での20日までの感染者861人は昨年同期の429人の倍以上で、16年に記録した864人も超えているが、サンパウロ市はデング熱の予防接種の対象外だ。
サンパウロ州の予防接種対象市はグアルーリョスやスザノなどの17市となっている。
なお、19日付オ・グローボ・サイト(8)によると、このデング熱ワクチンを自費で打つ場合、医者の処方箋があれば薬局で約400レアルから500レアルで打つことができる。ただし、2回接種する必要があるので、1千レアル近くが必要となる。