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基礎的収支=23年は2305億レの赤字=プレカトリオの支払いが影響

2024年1月31日

前政権が残したプレカトリオの支払いが響いたと語るハダジ財相(©Wilson Dias/Agencia Brasil)
前政権が残したプレカトリオの支払いが響いたと語るハダジ財相(©Wilson Dias/Agencia Brasil)

 2023年の中央政府の基礎的収支赤字額は2305・4億レアルで、新型コロナのパンデミック初年の2020年の7432・5億レに次ぐ大型赤字だったと29日付アジェンシア・ブラジルなど(1)(2)(3)(4)(5)が報じた。
 国庫庁によると、名目上の基礎的収支赤字額は1997年に始まった統計史上で2番目に大きい。11月に政府が発表した予測赤字額の1774億レや23年予算に計上された赤字額の2281億レも超えたが。複数年度予算を策定する連邦予算基本法(LDO)で定めた2315億レは下回った。2022年は516億レの黒字だった。
 昨年の赤字額は国内総生産(GDP)の2・1%で、ハダジ財相が昨年1月に語ったGDPの1%相当の1千億レ以下との予測を超えた。
 29日付アジェンシア・ブラジルなど(6)(7)によると、ハダジ財相はこの日、これ以上の控訴が認められず、金額が確定したが、前政権が支払いを分割または先延ばししたプレカトリオ(裁判が結審して連邦政府が賠償などを命じられた未払金)が赤字を膨らませたと述べた。
 国庫庁によると、プレカトリオの支払い分を除いた赤字額1381億レはGDPの1・3%で、連邦自治体や地方自治体救済用に払った200億レも除いた赤字1172億レはGDPの1・1%だった。自治体救済用支出もインフレ抑制のための商品流通サービス税(ICMS)の課税率引き下げで生じた税収減補完用で、前政権の置き土産がなければ赤字はGDPの約1%で終わっていたという。
 11月の予測を上回る赤字となったのは、月間で史上最大の1161・5億レの赤字だった12月の影響が大きい。これは、2021年の憲法改正で分割・先延ばしし、2026年末には2500億レとなるはずだったプレカトリオの支払いの前倒しを最高裁が認めたために起きた。これを払わなければ、同月の赤字は金融機関が予測した355億レ以下の238億レで終えていたという。
 歳入は前年を2・3%上回ったが、広範囲消費者物価指数(IPCA)で調整した後の額は前年比で2・2%減った。他方、歳出は名目上で17・7%、インフレ調整後も12・5%増加した。
 税金の支払いに関連する管理収入は、純利益に対する社会貢献がインフレ調整後で1%(以下同)減少したものの、納税者が司法訴訟終結と引き換えに政府と合意した訴訟削減プログラムなどによる管理収入は117億レで、39・5%増えた。社会保障費は労働市場改善で329億レ(5・8%)の収入増を見た。
 国税庁の管理外の収入は、ペトロブラスや連邦貯蓄銀行などの公社の配当金が411億レ(44・7%)減。鉱業関連のロイヤルティは原油の国際価格低下などで262億レ(18・5%)減った。
 ボルサ・ファミリア(生活扶助)や社会保障費、保健・高育・運輸・社会支援のための非義務的支出は軒並み、インフレ以上に増加。行政府関連支出は、プレカトリオの83億レなどで102億レ(2・8%)増。投資額は前年を72・5%上回る8223億レだった。


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