パラナアリアンサ総会=日本・ブラジル経済シンポ企画案を発表=2025年、外交130周年記念で

パラナ日伯文化連合会(パラナアリアンサ)は1月28日、パラナ州ロンドリーナ市で総会を行った。加盟団体代表者を始め、西森ルイス連邦下院議員ら約100人が出席。2023年度事業及び会計報告などを行ったほか、2025年にに行う日伯外交関係樹立130周年を記念した日伯経済シンポジウムの開催企画案を発表した。パラナ州の日系社会の規模は、サンパウロ州に次ぐ国内2番目の大きさ。
西森下議は本紙の取材に対し、「日伯外交関係樹立130周年について、サンパウロの主要日系団体とも話し合い、共同で事業を行うことで合意した。ブラジル日系社会の連携を日本に示したい」と話す。
予定されているシンポジウムでは、日本とブラジルの経営者を招いて、両国間の経済分野における課題について議論する。西森下議は「日本・ブラジル間のビジネスには大きな障がいがいくつもあり、企業経営者だけではどうにもできない課題がある」と述べ、アグリビジネス分野の課題を例に挙げた。
ブラジルでは安く高品質の果物を生産しているが、日本は国内産業保護のため、輸入規制している。西森下議は「グローバル化した現在の世の中では、互いの長所を活かした取り組みを行うべき」と語り、日本に輸入規制緩和の検討を呼びかけていると述べた。
また、日本の農業は深刻な担い手不足にあることから、ブラジルと人材交流を進め、課題解決に寄与したい考えであるとした。
日本・ブラジル間経済においては、両国間で自由貿易協定を締結するべきか否かが、長年議論となっている。西森下議は「貿易の壁はなくしたいと考えている。日本もブラジルとの自由貿易を望んでいるが、ブラジルはメルコスルのリーダーであり、メルコスルを通じて貿易を行う必要がある。シンポジウムは、二国間の貿易課題を進展させる非常に重要な催しとなるだろう」と強調した。
また、シンポジウムを通じて人材交流を深めたいとし、「日系人には日本とブラジル双方の価値観を理解し、知的で有能な人材が多い。ブラジルでは経営者や教師、裁判官など活躍する女性も増えている。シンポジウムには多くの人に参加してもらい、新たな絆を作って欲しい」と語った。

去年の11月に在クリチバ総領館総領事として着任した三井靖広氏も総会に出席し、「パラナを含む南部三州は日本と強い経済関係を持っている。農業や製造業の規模は大きく、教育水準も高い。あらゆる観点から、南部三州のポテンシャルは高い」と述べ、シンポジウム開催で予想される日本とブラジル間の経済関係強化への期待を語った。
