デング熱=年422万人感染との試算も=首都で前年同期比920%増


【既報関連】今年最初の4週間のデング熱の感染状況は深刻で、1日には緊急対策センターの開設も発表された。
1月30日付アジェンシア・ブラジル(1)によると、保健省は今年のデング熱患者は196万460人と見ている。これは最低146万2310人、最大422万5885人との試算に基づく数字だ。
この日は第4週までの疑似症患者が21万7841人、死者も15人に増え、死因解明中の死者も149人と発表された日だ(1月30日付アジェンシア・ブラジル(2)参照)。第3週までの数字は疑似症患者12万874人、死者12人、解明中の死者85人だから、疑似症患者は1週間で80・2%、死者は25%増加。第4週時点の10万人あたりの疑似症患者数(感染率)は107・1人、致死率は0・9%だ。
また、チクングニヤ熱は疑似症患者1万2838人、死者3人、死因解明中の死者11人で、1週間前の7063人で1人死亡、解明中の死者8人から急増した。感染率は6・3人/10万人、致死率は0・02%だ。
1日付アジェンシア・ブラジル(3)によると、緊急対策センター設置は汎米保健機関(Opas)本部での会合中に発表された。ニジア・トリンダーデ保健相は国全体の団結が必要と強調。ネッタイシマカの発生源の75%は家庭にあるとし、国民の協力も求めた。
1日付オ・グローボなど(4)(5)(6)(7)(8)によると、全国で最初に非常事態を宣言した連邦直轄区は、疑似症患者数が1週間で1万3千人以上増え、3人が死亡。27日までの疑似症患者は昨年同期比で920・5%増の2万9492人。死者は6人、解明中の死者は24人で、生後5日の子供でも感染が確認された。連邦直轄区は軍の協力も得てネッタイシマカの発生源撲滅のための清掃や訪問を実施。殺虫剤散布や野戦病院設置なども続けている。
1月30日付アジェンシア・ブラジル(9)によると、サンパウロ州では1月30日に死者が7人に増加と報じられたが、これは1月20日までの数字だ。1月31日付G1サイト(10)によると、同日には、27日までの患者は1万9243人で昨年同期比で47%増となったことと緊急対策センターの開設が発表された。ただ、1月30日付CNNブラジルなど(11)(12)によると、第3週までの患者が昨年同期の443人の4倍以上の1792人となったサンパウロ市では、保健省にワクチン送付を希望するなど、地域差がある。
1日付エスタード・デ・ミナスなど(13)(14)によると、ミナス州は1日、1月31日までの疑似症患者が8万6388人、死者が6人となり、感染が確認された人は1月29日~1日だけで31・7%増と報告。同州では、チクングニヤ熱の疑似症患者も1万1128人に増え、7829人が確認済み。死者は1人で解明中の死者は6人だ。ジカ熱も、疑似症患者15人中2人の感染を確認済み。医療資材の不足も起き始めている。
1日付バンジUOLサイト(15)によると、リオ州では4週間の疑似症患者が1万7437人、死者2人で、感染率が10万人あたり500人超の市が14ある。昨年同期の疑似症患者は1442人だから、12倍以上で、感染の有無を確認する検査を受けた人は第3週だけで4463人いた。また、ミナス州やサンパウロ州に近い地域は疑似症患者発生数が多いという。
また、2日付G1サイト(16)によると、リオ市は2日、1月の疑似症患者は1万156人で流行状態と宣言。この数は昨年の年間患者数(2万2959人)の44・2%に上る。同市の感染は1、2、4型のウイルスによるものだ。
1月30日付G1サイト(17)によると、アクレ州も状況が深刻で、2月から予防接種が始まる予定だが、ニジア保健相は、予防接種は希望だが解決法ではないとし、ネッタイシマカの発生源撲滅への努力を求めている(1日付アジェンシア・ブラジル(18)参照)。
なお、1日付アジェンシア・ブラジル(19)によると、ブタンタン研究所は、09年に開発を始め、第3段階の治験中のワクチンについて、6~7月に国家衛生監督庁に分析のための登録申請を行うとの見通しを表明している。