デング熱ワクチン=リオ市で試験的集団接種=ドウラードスでは接種完了

【既報関連】統一医療保健システム(SUS)で使用するデング熱ワクチンの配布は今週から始まり、10~14歳を対象とする接種が行われるが、流行状態で非常事態を宣言したリオ市では、成人2万人を対象としたデング熱の予防接種を行うことを予定していると2日付アジェンシア・ブラジル(1)が報じた。
リオ市保健局のダニエル・ソランツ局長によると、保健省と同市保健局、オズワルド・クルス財団(Fiocruz)が協賛で、試験的集団接種を行うのだという。
試験的集団接種の対象となるのは、同市の中でも感染者の発生が著しい西部グアラチバ地区の20~40歳の住民で、接種開始は、保健省が優先接種の対象に定めた521市での10~14歳児への接種と同様、2月からだ。
ソランツ局長は、今回の集団接種は、同市北部のマレ複合スラムとパケター島で行われた新型コロナのワクチン接種と同様、全国で対象となる年齢層以外の人達へのワクチン接種を行う時期などを分析するための試験的なものだと説明。
集団接種への参加は任意で、グアラチバ、バラ・デ・グアラチバ、ペドラ・デ・グアラチバ、グアラチバ島の各地区の住民の内、同地区の予防医療部門に登録されている人々の中から抽選で選ばれる。リオ市役所によると、対象者は13万人いるが、今回の試験的集団接種の参加者は2万人に限定する予定だ。
参加者達は90日の間隔を置いて、2度の接種を受けることになっており、保健省から4万回分のワクチンの提供を受ける。参加者が既にデング熱に感染したことがあるか否かは問題とはされない。
参加者達は全員、既に感染し、免疫を持っているか否かの検査を受けてから集団接種を受ける。
試験的集団接種を受けた参加者の観察期間は2年間で、研究員達は同期間中、参加者達がデング熱に感染したか、入院や死亡に至ったかなどのデータを集めることになっている。
今回の試験的集団接種のコーディネートは、パケター島での新型コロナのワクチン接種の試験的集団接種でもコーディネーターを務めた、Fiocruzの感染学者のジョゼ・セルビの・ネット氏が担当している。
なお、3日付アジェンシア・ブラジル(2)によると、全国に先駆け、試験的集団接種を行ったマット・グロッソ・ド・スル州ドウラードス市では3日をデング熱撲滅のための特別デーに指定し、4~59歳の人にワクチン接種を呼びかけた。
同市は武田薬品との特別提携により、4~59歳の人全員への予防接種を認められた唯一の市だ。同市と武田薬品との提携は昨年の12月の始めに決まり、1月初旬に第1回目の接種を実施。市保健局は、市民15万人が2度の接種を受けることができることを期待している。