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ルーラ大統領=WHO事務局長らと会合=デング熱ワクチンも議題に

2024年2月7日

5日の会合に参加したニジア保健相、テドロスWHO事務局長、ルーラ大統領、ジャルバスPAHO事務局長補(©Ricardo Stuckert/PR)
5日の会合に参加したニジア保健相、テドロスWHO事務局長、ルーラ大統領、ジャルバスPAHO事務局長補(©Ricardo Stuckert/PR)

 ルーラ大統領が5日、世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム事務局長と会い、11月に開かれるG20首脳会議に先立って行われる保健部門の準備会合について話し合うと共に、デング熱のワクチン生産についても協議したと同日付アジェンシア・ブラジル(1)が報じた。
 テドロス氏との会合には、ニジア・トリンダーデ保健相や汎米保健機関(Opas、英語ではPAHO)のジャルバス・バルボーザ事務局長補も出席した。
 大統領府の声明によると、テドロス氏はブラジルがデング熱ワクチンの提供国となる可能性を認めた。ブラジルが提供するワクチンはブタンタン研究所やオズワルド・クルス財団(Fiocruz)製だが、現時点で国家衛生監督庁(Anvisa)が認め、統一医療保健システム(SUS)でも使用するのは武田薬品製のQdengaのみだ。
 テドロス氏は、結核やシャーガス病、ハンセン病、HIVのように母子感染する病気撲滅に向け、できる限り支援する意向も表明。7日にはこれらの病気撲滅のための国家計画発表式にも参加する。
 G20関連の話し合いでは、保健部門の作業部会設置と、パンデミックの予防や備え、対応のための国際文書の準備と交渉のための政府間交渉機関の作業について話し合った。ブラジルはG20議長国で、作業の調整担当グループの南北アメリカ代表でもある。
 大統領府は、テドロス氏がルーラ氏の支援に感謝し、G20が医療資金に関する議論を主導することを求めたことや、大統領が保健分野への資金調達を増やすことができる税制政策が必要と考えていることも強調した。
 なお、ブラジルでのデング熱感染は拡大の一途で、5日付ポデール360など(2)(3)によると、5日の保健省発表での疑似症患者は34万5235人、死者は36人、死因を解明中の死者は234人となっている。1月30日発表の疑似症患者は21万7841人、死者は15人、解明中の死者は149人だったから、疑似症患者は58・5%。死者は140%、解明中の死者は57・0%増えている。
 また、6日付アジェンシア・ブラジルなど(4)(5)によると、空軍が5日に連邦直轄区に開設した仮設病棟では、1日600人との予想を超え、24時間で753人に対応。225件の検査も行った。
 今週からはSUSによるデング熱ワクチンの配布や予防接種も始まるが、5日付アジェンシア・ブラジル(6)によると、武田薬品はこれを受け、ブラジルへのワクチン供給は保健省からの要請を最優先するとの声明を発表。これにより、連邦自治体や市との直接契約締結は停止され、民間医療機関への供給も初回接種者が接種を完了するために必要な量に限定される。同社は、24年は660万回分、25年は900万回分のワクチン供給を保証すると共に、供給量を増すための努力を惜しまないことも約束した。


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