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連警=機密書類持ち出し確認=前政権の情報庁長官宅=「政治的迫害」と反発

2024年2月8日

ラマジェン氏(X)
ラマジェン氏(X)

 連邦警察が、1月25日にブラジル情報庁(Abin)元長官のアレッシャンドレ・ラマジェン下議(自由党・PL)の自宅から押収した資料の中から、Abin時代の書類を発見した。Abinには同時に、リオ市のミリシア(民兵組織)への支払い疑惑も浮上している。6日付UOLサイト(1)などが報じている。
 ラマジェン氏は現在、Abin長官時代に行われたとされる、イスラエル製ソフトウェア「ファースト・マイル」を使った、ボルソナロ前大統領の政敵と見なされる人物約1800人に対するスパイ行為疑惑に関して捜査を受けている。さらに、組織外に作られたと目される別名「並行Abin」に情報を流していなかったかなども、捜査の重点項目になっている。
 連警は捜査の過程で、ラマジェン氏の自宅から押収した書類の中から、Abin時代に同庁が行った捜査に関する書類を発見したことを明らかにしている。こうした書類は、2022年3月に辞任したラマジェン氏が個人所有することが認められない類のものだ。同氏の自宅からは、捜査当日もAbin長官時代に使用していたノート・パソコンと携帯電話が押収されている。
 今回発見された書類は、Abinがリオ市に対して行っていた捜査に関するものであることがUOLサイトの報道で明らかにされている。だが、メトロポレス(2)が同日に行った報道では、Abinには新たに、リオ市の情報提供者に秘密の支払いを行っていた疑惑が浮上している。この報道はAbinの内部関係者への取材も含めた形で行われている。
 これはAbin内部で「捜査プラン2021年6月」と呼ばれていた捜査に伴うものだ。この捜査はラマジェン氏が長官在任中のAbinでは最大の捜査として知られているが、この捜査では、麻薬密売組織の支配地域だがミリシアが進出を狙っているコミュニティの情報提供者に非公式の資金計150万レアルが支払われていたという。こうした捜査に関して用意されているAbinの捜査特別報奨金は3カ月毎に約16万レアルに過ぎない。
 しかも、この地域は本来はAbinが担当する地域ではないため、関係者の中には連警が指揮する同地域での活動に疑問を抱いた職員もいたという。そこで浮上してきたのが、この支払いがミリシアなどに属している内通者に対して行われていたのではないかとの疑惑だ。非公式な報奨金は、国内でスパイ活動を行っている疑いのある外国人やテロ組織と関係のある人々に関するデータのように、ある目的に役立つ情報やデータ取得のために使われているからだ。
 また、この時の捜査目的に関しても、実施翌年に行われた選挙のためではないかとの疑惑が浮上している。メトロポレスによれば、連警内では、ボルソナロ派の警察官のグループがこれらの地域に入り、前大統領と同盟を結んでいる候補者に有利になるよう行動する道を作ろうとしたのではないかとの仮説までを立てているという。
 Abin関連の捜査に関してはこれ以外にも注目される報道が行われている。2日付テラサイト(3)は、ボルソナロ前大統領が並行Abinに関する情報を受け取っていた痕跡を連警が指摘していると報道。また、1月31日のG1サイト(4)の報道では、Abinのスパイ活動の対象にはボルソナロ政権の閣僚やボルソナロ氏寄りの政治家も含まれていたと報じている。
 これらの報道に対し、ラマジェン氏は「政治的な迫害」という主張を繰り返している。ボルソナロ前大統領からは具体的な発言が行われていない。


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