ルーラ大統領=野党知事の3州を歴訪=イベントと投資発表続く

【既報関連】統一地方選挙年の今年は国内中心に働くとの約束通り、ルーラ大統領の各州巡りが始まった。最初に選ばれたのは、国内有数の票田を有し、全国規模の選挙でも影響力の大きいサンパウロ州、リオ州、ミナス州だ。
8日付G1サイト(1)は、これら3州はボルソナロ派の知事が治めているが、ルーラ氏は二極化がより強まっている政界内での距離を縮め、地方選での影響力を増すために、これらの州を訪れ、野党知事との対談の時を持ったとしている。

2日付CNNブラジルなど(2)(3)によると、最初に訪れたサンパウロ州では、サントス港の開港132周年の式典でタルシジオ知事(共和者)と共に、総工費60億レのサントス~グアルジャ間の海底トンネル建設を国と州の官民合同プロジェクト(PPP)として行うと発表。連邦政府は海底トンネル建設をサンパウロ州を除いたPPPで行う予定だったが、1月30日に知事が大統領を訪ねて協議した結果、サンパウロ州も含むPPPとなった。
大統領は同港についても、「ブラジルを高度発展国にするために同港を民営化政策から外した」「経済エリート層は国家や公権力のイメージを破壊し、国家には価値がないという考えを確立しているが、この港と港湾局が企業家達と同等かそれ以上のことをしてくれると証明したい」と表現した。
2日付アジェンシア・ブラジル(4)によると、地域経済や技術の発展のため、サントスやサンヴィセンテなどに連邦教育機関を12増やすことや、サンパウロ大都市圏の環状道路(ロドアネル)北部区間の工事完結のために13億レを投じる予定であることも発表した。

6日付G1サイト(5)によると、同日朝はリオ州マジェ市でカストロ知事(自由党・PL)らと共に、PT(労働者党)政権が創設した持ち家政策ミーニャ・カーザ、ミーニャ・ヴィダの対象家屋の一部(832軒分)の鍵を渡す式典に出席。他市同様の専門家養成のための連邦教育機関を同市にも創ることや、土木建設や造船、石油採掘でも投資を行うことを発表した。
また、7日付アジェンシア・ブラジルなど(6)(7)(8)によると、7日にはリオ市バラ・ダ・チジュカの五輪パークのアリーナをイザベル・サルガード五輪教育ジムとして再開設。五輪パーク/シダーデ・デ・デウス・リオ連邦研究所(IFRJ)の定礎式も行った。同日はアレモン複合スラムでもIFRJの定礎式が行われた。同州ではベルフォード・ロッショにもIFRJが創られる。
ミナス州訪問は8日で、8日付アジェンシア・ブラジル(9)によると、州都でのイベントにはパシェコ上院議長や閣僚の他、22年選挙でボルソナロ氏を支援したロメウ・ゼマ知事(ノヴォ)も出席。ルーラ氏が発表した新経済活性化計画(PAC)からの1214億レの投資中、367億レは同州専用の工事、848億レは同州を含む地域プロジェクトにあてられる。PAC事業の内容はエネルギー、保健、教育、高速道など、多岐にわたる。
8日付G1サイト(10)によると、ゼマ知事は州民の生活改善に繋がる事業での国の支援や、国と州の間の負債の再交渉のための代替案提示などを喜び、「考えの違う人達と共に働くことを学んだ」と語っている。