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ボルソナロ=25日にサンパウロ市で抗議集会=連警包囲に政治力で対抗=派閥政治家も出欠で明暗

2024年2月17日

デモを呼びかけるボルソナロ氏(X)
デモを呼びかけるボルソナロ氏(X)

 ボルソナロ大統領が25日にサンパウロ市パウリスタ大通りで大規模な抗議集会(マニフェスタソン)を行う計画を立て、支持者達に参加を呼び掛けている。連邦警察の「テンプス・ヴェリタティス作戦」で大統領時代の要職者らが次々と捜査され、自身の逮捕の噂も上がる中、このデモを通して、現在も政治的な影響力があることを見せたいと考えていると16日付ヴェジャ誌(1)が報じた。
 ボルソナロ前大統領は12日、パウリスタ大通りでマニフェスタソンを行うことを知らせる動画を配信した。その中で前大統領は「民主的な法の支配の名の下での平和的な行為となるだろう。全員に黄緑色の服を着て参加するようお願いする」と呼びかけ、この機会を利用して告発から身を守るつもりだと述べた。最後に同氏は、最高裁のアレッシャンドレ・デ・モラエス判事との更なる法的問題を避けるために、「いかなる横断幕やポスターも持ち歩かないように」と求めた。
 その背景には連警が8日に遂行したテンプス・ヴェリタティス作戦の存在がある。1月29日には次男カルロス氏がブラジル情報庁(Abin)の外部に設けられた「並行Abin」を率いていた疑惑で、リオ州アングラ・ドス・レイスにあるボルソナロ家の別荘を家宅捜査され、今月8日には所属の自由党(PL)党首のヴァルデマール・コスタ氏が逮捕された。また、翌9日に公開された2022年7月の閣僚会議の録画ではアウグスト・エレーノ大統領府安全保障室(GSI)元長官の口から、Abinのスパイ疑惑を思わせるような発言が飛び出していたことなども明らかにされた。
 また、ボルソナロ氏自身も8日の捜査と並行してパスポートを没収されるなど、苦しい立場に置かれている。今回のデモはそうした劣勢を挽回し、今一度自分の威信を試すために行われるものと見られている。
 今回のマニフェスタソンはボルソナロ氏と旧知の中で知られる福音派の大物シラス・マラファイア氏が資金提供を行っているとされ、同氏が率いる宗教団体「キリストの勝利教会」が25日に使う山車調達のための資金提供を行っていることがメトロポレスによって報じられている。マラファイア氏はテンプス・ヴェリタティス作戦が行われた直後、「聖職者はなぜ、政治的迫害に対して声を上げないのか」と不満を表明していた。
 このデモに関しては、ボルソナロ政権にゆかりのある政治家や関係者たちが既に、出席、欠席の表明を行っている。
 テラサイト(2)やフォーリャ紙(2)によると、まず、ボルソナロ政権時代のインフラ相で、選挙出馬を8年間禁止されているボルソナロ氏の後継者と目されているタルシジオ・デ・フレイタス・サンパウロ州知事(共和者・RP)は、出席を表明している。
 また、ボルソナロ政権の官房長官で、進歩党(PP)党首のシロ・ノゲイラ氏や環境相だったリカルド・サレス下議(PL)、科学技術相だったマルコス・ポンテス上議、テンプス・ヴェリタティス作戦の捜査対象にもなったカルロス・ジョルディ下議(PL)は参加を表明している。
 一方で、副大統領だったハミルトン・モウロン上議(RP)、人権相だったダマレス・アウヴェス上議(RP)、農相だったテレーザ・クリスチーナ上議(PP)は欠席を表明。ボルソナロ氏と懇意のジョルジェ・メロ・サンタカタリーナ州知事や小売大手「アヴァン」社長のルシアノ・ハン氏らも出席しない。
 また、マニフェスタソンの開催場所となるサンパウロ市の市長で、市長選でのボルソナロ氏からの支持とPLの副候補が決定的と言われているリカルド・ヌーネス市長(民主運動・MDB)は、出欠の意向を表明していない。


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