中銀経済活動指数=23年は2・45%成長=前年割れで減速化を示唆

中銀が19日に発表した経済活動指数(IBC‐Br)によると、2023年の国内総生産(GDP)は2・45%成長したと同日付アジェンシア・ブラジル(1)などが報じた。
IBC‐Brは地理統計院(IBGE)が発表するGDPそのものではないが、中銀が経済基本金利(Selic)を決める時の参考資料の一つで、GDPの先取り指数とされている。
中銀によると、23年第4四半期のIBC‐Brは前期比で0・22%増、前年同期比で1・8%増で、前期比で0・64%減を記録した第3四半期に続くマイナス成長は回避した。また、12月のIBC‐Brは前月比で0・82%増、前年同月比では1・36%増の147・63ポイントで、市場が予想した0・75%増を上回った。
ただし、年間成長率の2・45%は22年に記録した2・77%以下で、新型コロナのパンデミックで後退した後のGDPの回復が減速傾向にあることを示しているといえる。
G1サイトなどは経済活動の減速化はインフレ抑制のためにSelicを高止まりさせる中で起きたと評価。Selicは8月まで13・75%で保たれていた後、0・5%ポイントずつ引き下げられ、現在は11・25%になっている。
財務省や産業界は早い時期から、経済成長を促すために金利引き下げをとの声を上げていた。高金利だと、融資やローンが利用し難く、債務不履行が増える、家庭が抱える負債額が所得に占める割合が増すといった影響も出るため、消費や経済活動にもブレーキがかかるからだ。
他方、ジェツリオ・ヴァルガス財団ブラジル経済研究所(Ibre/FGV)は同日、23年のGDPは3%成長と発表。こちらは、12月が前月比で0・6%、前年同月比で2・1%、第4四半期は前期比で0・1%、前年同期比で2・3%の成長だった。
Ibreも第4四半期の数字は明らかな減速傾向を示していると評価したが、同時に、国際的なコモディティ価格の変動のため、年間成長が脆弱な年だったにも関わらず、経済の回復力を示したという。同研究所によると、GDPの6%を占める農業は15・8%成長し、成長全体の30%を占めた。また、サービス業は2・5%、工業は1・4%、家計消費は3・2%伸びたが、建設業や投資は縮小したという。
なお、連邦政府が昨年の11月21日に発表した23年のGDP予測は3%、中銀が2月21日に発表したGDP予測も3%だ。IBGEによる23年のGDPは3月1日に発表される予定だ。