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ジノ新判事=政界出身で異例の就任=共産党議員経て最高裁=ボルソナロ案件担当へ

2024年2月23日

就任式でのジノ判事(X)
就任式でのジノ判事(X)

 22日、最高裁で、新判事のフラヴィオ・ジノ氏の就任式が行われた。ジノ判事は第3期ルーラ政権下では2人目の指名で、法相からの就任となる。21日付CNNブラジル(1)などが報じている。
 法相出身の最高裁判事は、現職ではテメル政権でのアレッシャンドレ・デ・モラエス判事、ボルソナロ政権でのアンドレ・メンドンサ判事についで3人目となる。
 だが、先の2判事がいずれも司法界中心のキャリアで選挙への出馬経験がなかったのに対し、ジノ氏は連邦裁判所判事として14年働いた後、ブラジル共産党(PCdoB)に入党して連邦下議になり、計18年を政治家として活動してきた。2015年からはマラニョン州知事を2期務め、22年には上議選で当選したが、上議職に就く前にルーラ政権の法相に就任。政党も直前までブラジル社会党(PSB)に在籍していた。また、2011年6月~14年3月にはエンブラツールの総裁も務めている。
 ジノ氏は2月に入り、法相の職務上務めていなかった上議を一時的に務め、20日に上院で退任式を行ったが、その際に「議員を続ける人が羨ましい」と語り、「75歳で定年退職して、健康であれば政界に戻ることもあるかもしれないが、神のみぞ知る」と語り、政界への未練も見せていた。
 ジノ氏の就任で、昨年9月30日に当時の長官だったローザ・ウェベル氏が定年退官して以降、空席となっていた判事の座が、140日ぶりに埋まった。これは歴代5番目の長さだった。
 ジノ氏はローザ元判事が扱っていた裁判案件344件を引き継ぐことになっているが、その内容がとりわけボルソナロ派の人々に注目されている。ジノ氏とボルソナロ氏はマラニョン州知事と大統領時代から強い対立関係にある。また、昨年1月8日の三権中枢施設襲撃事件の際には法相として襲撃犯を厳しく取り締まり、ボルソナロ氏支持者の大量起訴につながったためだ。
 コングレッソ・エン・フォコ(2)やコレイオ・ブラジリエンセ(3)によると、その案件の中には、2021年に行われた上院でのコロナウイルスに関する議会調査委員会(CPI)の報告書が含まれている。ボルソナロ氏はパンデミックの際、外出自粛に否定的な言動を繰り返し、効用が証明されていないクロロキンの使用にこだわった上、ワクチン導入にも消極的だったことで知られている。
 また、ボルソナロ氏が大統領時代に出した囚人のクリスマス恩赦の法的有効性も案件の中に含まれている。
 さらに、妊娠中絶や麻薬所持の非刑罰化の裁判なども抱えることになる。ジノ氏は左派政治家の出身ではあるが、政治家時代にこの二つの問題の非刑罰化には反対の立場であることを明言している。
 ただ、妊娠中絶の全体審理では、ローザ元判事が報告官を務めていた関係もあり、ジノ氏が彼女の投じた票を変えることはできない。
 ジノ判事の就任式は22日16時に最高裁で行われた。テラサイト(4)によると、ルイス・ロベルト・バローゾ長官はその席で、「連邦議員や州知事、法相を経験しただけでなく、あまり知られていないが、国家法務審議会(CNJ)にも所属したことがある。三権に対し広い視点での視野がある」として称賛した。


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