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ボルソナロ=クーデター画策を否定=サンパウロ市デモに18万人超=襲撃事件に恩赦求める

2024年2月27日

25日の抗議活動の様子(Rovena Rosa/Agencia Brasil)
25日の抗議活動の様子(Rovena Rosa/Agencia Brasil)

 ボルソナロ前大統領は25日、サンパウロ市パウリスタ大通りで大規模な抗議デモを行った。前大統領は自身への政治的迫害などを訴えたが、最高裁への批判は行わず、昨年の1月8日三権中枢施設襲撃事件の襲撃者らの罪の軽減などを求めた。同日付UOLサイト(1)やG1サイト(2)、CNNブラジル(3)、フォーリャ紙(4)などが報じている。
 今回のデモは、ボルソナロ氏自身が約2週間前からSNSで呼びかけていたこと、連邦警察のテンプス・ヴェリタティス作戦で捜査対象となり、これまで以上に身辺の危機感が高まっていたことなどもあり、パウリスタ大通りには開始予定の15時になる前から多くの人が詰めかけた。
 サンパウロ州保安局は来場者について、「警察は75万人来たと言っている」としたが、サンパウロ総合大学(USP)関連の調査団体の測定では18万5千人だという。同団体によると、2021年9月7日の独立記念日に当時のボルソナロ大統領が参加した同大通りでのデモの参加者は12万5千人だったという。
 ボルソナロ氏は詰めかけた大観衆を前に襲撃事件に触れ、「15年以上の有罪判決を受けた人が多い」とし、「彼らは迫害されている」「連邦議会で恩赦を出すよう提案する」と穏便に語った。
 また、ボルソナロ氏は、8年間の出馬禁止処分に触れ、自身の政治活動が迫害を受けているとして訴えた。
 さらに、自由党(PL)内の自身の執務室から、大統領選の結果を変えるための法案(ミヌタ)が発見されたことに触れ、厳戒令にあたるestado de sítioの発令には議会の承認が必要であることなどを強調して、クーデター画策との声を否定。「国を守るための法案がクーデターとみなされているようだが、憲法に則ったクーデターなど存在するのだろうか」と疑問を呈した。
 他方、一連の発言の中では、最高裁という言葉を使うことや最高裁への攻撃を避けた。襲撃事件関連の捜査を受けている立場でそれを行えば、逮捕される可能性もあったためだ。
 そうしたこともあり、ボルソナロ氏は参加者に対しても事前に、最高裁を揶揄するようなものの持ち込みを禁止していた。その代わり、参加者たちはイスラエル支持関連のものを多く持ち込んだ。
 だが、福音派の大物牧師シラス・マラファイア氏が壇上で「アレッシャンドレ・デ・モラエス判事がルーラ大統領に有利になるように襲撃事件時のビデオの一部を隠した」などと発言。ボルソナロ氏の側近を困惑させていた。
 今回のデモにはミシェレ夫人を始め、ボルソナロ氏にゆかりのある政治家なども多く参加。タルシジオ・デ・フレイタス・サンパウロ州知事はデモの前にボルソナロ氏をサンパウロ州庁舎に招いており、リカルド・ヌーネス・サンパウロ市市長も顔を見せた。市長選でボルソナロ氏の支持を受ける予定のヌーネス氏は、デモの始まりまで顔を見せた。
 CNNブラジル(5)(6)によると、連邦政府は今回のデモを静観しており、「聖戦を試みた」と捉えているという。連邦警察も、ボルソナロ氏が行ったミヌタ関連の発言を捜査の参考資料に含める意向だ。


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