G20関連=第1回気候金融フォーラム=経済と環境対策の両立模索

【既報関連】28~29日にサンパウロ市で開かれるG20財相・中銀総裁会議に先立ち、26~27日に第1回ブラジル気候金融フォーラムを開催と25日付アジェンシア・ブラジルなど(1)(2)(3)(4)が報じた。
フォーラムの目的は「経済的な繁栄と公正かつ包括的な移行との間の架け橋の強化」で、ドバイで開かれたCOP28の期間中に財務省と共同で発足した公式のG20ソーシャルイベントだ。国内外の民間・市民団体や生態学的変革を推進する企業連合、学術界、慈善団体、多国間の経済・金融団体のメンバーが参加する会議は対面とバーチャル併用で、国際的な気候変動融資を軸に、グリーンな再産業化、エネルギー転換、バイオエコノミー促進などに関する議論を行う。
会議では国内外の社会団体代表ら600人のゲストが、ブラジルの生態学的変革のための金融モデルやアマゾンへのグリーン投資活用のためのメカニズムと課題、自然ベースの解決策への資金調達拡大の機会、ブラジルの気候危機対処戦略としてのバイオエコノミー促進などに関するパネルディスカッションを行う他、米国のIRA(インフレ抑制法)や欧州のグリーン・ディールなどの世界的な持続可能な経済対策の影響や世界の産業界の脱炭素化加速への解決策も話し合う。気候変動金融に関するワークショップも開かれ、会議終了時には、G20首脳陣に対する提言も準備する。
主なパネリストはノーベル経済学賞受賞者でコロンビア大学教授のジョセフ・スティグリッツ氏、外務省のアントニオ・リカルテ大使、パラー州環境局長のマウロ・オー・デ・アルメイダ氏、Biomasのナタリア・レンタリア氏、米州開発銀行のタチアナ・スコール氏、先住民族代表のツァイ・スルイ氏、元環境相のイザベラ・テイシェイラ氏らだ。
G20は世界の国内総生産(GDP)の85%を占め、エネルギー部門での温室効果ガスの80%を排出しており、同グループの取り組みはパリ協定順守や気候変動の影響緩和に大きな意味を持つ。
気候と社会研究所(iCS)エグゼクティブディレクターのマリア・ネット氏によると、この会議では気候変動への取り組みに必要な資金を提供する様々な方法についても議論される。AYA研究所とSystemigが2023年に行った調査では、ブラジルのエネルギー転換の資金調達に必要な推定年間投資額は1300~1600億米ドルとされている。
なお、26、27日は財相・中銀総裁会議のための事前会議なども並行開催されているが、26日付G1サイトなど(5)(6)(7)によると、ハダジ財相は25日夜受けた新型コロナの感染テストで陽性反応が出、26日の予定の一部をキャンセルした。28日からの財相会議には、27日の検査で陰性なら対面、陽性ならオンラインで参加し、司会などを行う予定だ。