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元陸軍司令官=前大統領の関与を証言=クーデター草案に反対=「裏切り」批判の声も

2024年3月6日

ボルソナロ大統領とフレイレ・ゴメス元司令官(X)
ボルソナロ大統領とフレイレ・ゴメス元司令官(X)

 元陸軍司令官のマルコ・アントニオ・フレイレ・ゴメス氏が1日に連邦警察で事情聴取に応じ、長時間に及ぶ証言を行った。同元司令官は2022年の大統領選後に大統領選の結果を変えるための法案(ミヌタ)についての話し合いがあり、前大統領から直接、法案を見せられたと証言した。連警捜査に対して主だった軍幹部が黙秘をする中で、ボルソナロ元大統領関与を元司令官が証言したことで軍関係者に波紋が広がっている。4日付フォーリャ紙(1)などが報じている。
 フレイレ・ゴメス氏は1日、ブラジリアの連邦警察に出向き、7時間にわたる事情聴取で、約250の質問に答えた。同氏はスペインの親類の家に滞在していたが、急遽戻っての証言となった。
 フレイレ・ゴメス氏は2月8日に行われた、大統領選を巡るクーデター疑惑捜査「テンプス・ヴェリタティス作戦」の捜査対象ではない。だが、司法取引で捜査に協力しているボルソナロ前大統領の元側近マウロ・シジ容疑者の証言の中で、ミヌタの送り先の人物の一人に挙げられていた。
 フレイレ・ゴメス氏は今回の証言で、このミヌタに関する話し合いに参加していたことを認めている。この会合に関しては、フレイレ・ゴメス氏の2週間前の2月16日に連警で事情聴取を受けた元空軍司令官のカルロス・デ・アルメイダ・バチスタ・ジュニオル氏も、この会議に参加していたことを認めている。
 エスタード紙(2)によると、マウロ・シジ容疑者は、このミヌタの会議は当初、軍司令官を除く形で11月末に行われたと語っている。その時の話し合いでは、選挙で不正があったとしてそれをやり直すだけでなく、アレッシャンドレ・デ・モラエス、ジウマール・メンデス両最高裁判事とロドリゴ・パシェコ上院議長を逮捕する案が浮上したが、ボルソナロ氏が逮捕はモラエス判事のみにするとしたとされている。
 三軍の司令官にはこれ以降にミヌタの話が伝えられたようだが、これに賛同したのはアルミール・ガルニエル海軍司令官のみで、フレイレ・ゴメス、バチスタ・ジュニオルの両司令官は反対との意向を表明したとされている。
 そのことは昨年12月中旬に大統領選ではボルソナロ氏の副候補だったヴァルテル・ブラガ・ネット氏が、シジ容疑者にクーデターを起こすよう迫ったとされる元少佐のアイルトン・バロス容疑者との会話でフレイレ・ゴメス氏を「臆病者」と呼んだ会話が記録されていたことにもつながっている。
 5日に報じられた続報(3)によると、フレイレ・ゴメス氏は連警で、ボルソナロ氏とパウロ・セルジオ・ノゲイラ国防相(当時)の2人から2通りのミヌタを直接見せられたと語っていたという。
 また、元陸軍司令官はボルソナロ前大統領に関し、大統領選後に軍施設前でボルソナロ派のキャンプを解体させなかったのは前大統領の意向だったと語ったという。選挙が終わって10日ほどの22年11月10日にフレイレ・ゴメス元司令官は、キャンプの強制解体に反対する声明を出していた。
 今回の報道に関して、ボルソナロ氏自身の声明は出されていない。ボルソナロ氏の広報担当のファビオ・ワインガルテン氏は、「弁護団は今回の証言を見ることが許されていない。これは壊滅的な説を作り上げた明らかな威嚇行為だ」と批判。支持者たちもフレイレ・ゴメス氏を「裏切り者」と決めつけており、「ボルソナロ氏は騙されている」との反応もあった。


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