デング熱=サンパウロ州も非常事態を宣言=患者14万人弱に死者31人

サンパウロ州保健局傘下の緊急作戦センター(COE)が5日、デング熱に対する非常事態を宣言したと同日付G1サイトなど(1)(2)が報じた。
非常事態宣言は、人口10万人あたりの感染が確認された患者数が世界保健機関が定めた流行状態にあたる300人を超えたことで出された。COEコーディネーターのレジアネ・デ・パウラ氏によると、4日現在の発生率は10万人あたり311人だ。
これにより、非常事態を宣言した連邦自治体は、アクレ、連邦直轄区、ゴイアス、ミナス、エスピリトサント、リオ、サンタカタリーナ、アマパー、サンパウロ州の九つとなった。
サンパウロ州保健局によると、4日現在の患者(感染を確認済み)は13万8259人で169人は重症。死者は21市で31人、死因確認中も122人いる。また、645市中、22は既に市単位で非常事態を宣言済みだ。ウイルスの型は1と2が大半で、疑似症患者と判定された人がテストでも陽性だった割合は40%だ。
COEメンバーでブタンタン研究所所長のエスペル・ジェオルジェス・カラス氏は、地球温暖化と多雨でデング熱を媒介する蚊が発生しやすい環境が生じ、患者や死者が増加と説明。感染のピークがいつかは明言できないとも語っている。
4日現在のサンパウロ市での死者は2人で、グアルーリョスやマリリアの3人を下回るが、死因確認中も27人おり、死者が増える可能性がある。サンパウロ市の患者数は3万2212人だ。
また、サンパウロ市は非常事態宣言市ではないが、ヴィラ・ジャラグアやパルケ・サンドミンゴスなど、北部、南部、東部、西部の15地区は流行状態で要注意だ。
サンパウロ州では、全国的なデング熱撲滅デーの2日だけでなく、1日も保健関係の職員らが、ボウフラの発生源を撲滅するための作業を行った。
ネッタイシマカの幼虫は、プールや貯水槽からペットボトルの蓋に至る容器に溜まった水で発生する。溜水を捨てる時は水面の少し上をこすり、蚊の卵をこそげ落として清掃することや、バケツや瓶などは口を下にしておく、週1回は溜水の有無を確認するなどの配慮が必要だ。
なお、4日更新の保健省公式サイト(3)によると、全国の疑似症患者は121万2263人で、57万1135人(47・11%)の感染が確認済みだ。死者は278人で死因確認中は744人。発生率は10万人につき597・0人だ。疑似症患者最多はミナス州の40万7977人で、サンパウロ州21万7633人、エスピリトサント州1万2182人、連邦直轄区11万7588人、リオ州9万2445人と続く。
発生率は連邦直轄区の4174・1人/10万人を筆頭に、ミナス州1986・4人、エスピリトサント州1141・1人、パラナ州1050・3人、ゴイアス州988・4人と続く。
5日付アジェンシア・ブラジル(4)によると、アマパー、アマゾナス、ゴイアス、リオ、ロライマ、連邦直轄区の6連邦自治体の疑似症患者数は、既に23年の総数を超えているという。