ドイツ=誤認逮捕のブラジル人女性に補償=空港でスーツケースすり替え
ドイツの裁判所が同国政府に、昨年3月に犯罪集団によりブラジルの空港でスーツケースを薬物入りのものにすり替えられたため、ドイツで逮捕され、長期の拘束を受けたブラジル人女性2人に対し、補償を行うよう命じた。4日付UOLサイト(1)が報じている。
ゴイアス州在住のジェアネ・パオリーニさんとカチナ・バイアさんは2023年3月にドイツのベルリンを経て欧州を周遊する旅に出たが、サンパウロ州グアルーリョス空港を経由してドイツでの経由地であるフランクフルト国際空港に付いた同月5日、持参した二つのスーツケースの中からそれぞれ20キロのコカインが出てきたため、その場で逮捕され、身柄を拘束された。
その後、グアルーリョス空港の手荷物扱い所で、犯罪集団が乗客のスーツケースを麻薬の入ったものとすり替え、欧州に麻薬を送り込む犯罪が行われていたことが判明。犯人も逮捕されたが、ジュアネさんとカチナさんの釈放には証拠が必要なため、時間を要し、最終確認後に釈放されたのは4月11日。実に、38日間も拘束されたこととなった。
この件に関して、ドイツの裁判所が2人に対して補償を行うことを命じた。支払いは逮捕が行われたヘッセン州が行うことになる。同州検察局はまだ控訴できるため、補償額は明らかにされていないが、ドイツでは誤認逮捕で身柄を拘束した場合、1日につき75ユーロの補償が原則となっている。
2人は釈放後も観光を行わず、まっすぐに帰国している。