Fiocruz=全国でSARS増と警告=主要な原因はCovid

オズワルド・クルス財団(Fiocruz)が7日、重症急性呼吸器症候群(SARS、ポ語ではSRAG)の新規患者が全国的に増えていると警鐘を鳴らしたと同日付アジェンシア・ブラジルなど(1)(2)(3)が報じた。
風邪に似た症状を呈する原因は複数あるが、Fiocruzが毎週出すSARSの報告書「InfoGripe」によると、2月24日~3月2日(感染学上の第9週)の動向を見ると、SARSの新規患者は全国的に増えている。また、中南部では新型コロナ感染症(Covid)が蔓延し、南東部と南部ではCovidとインフルエンザの両方のウイルスが同時に流行中だという。また、北東部と北部でも成人中心にインフルエンザが増えているという。
InfoGripeコーディネーターのマルセロ・ゴメス氏は、最近のCovidとインフルエンザ急増に加え、子供や高齢者が影響を受けやすいRSウイルス(VSR)の繁殖にも警鐘を鳴らしている。VSRの患者は2歳までの幼児中心に増えているが、高齢者がVSRに感染して死亡する可能性も忘れてはならないという。カーニバル後は学校での活動も本格化し、様々なウイルスが蔓延する可能性が増えているとも警告している。
ゴメス氏は、Covidとインフルエンザに対して採用すべき措置の一つは予防接種だと強調。また、感染者が来診することも多い医療・保健機関などでは、N95やPFF2のような安全性の高いマスクを使うことも感染リスクを軽減すると勧めている。
また、ハイリスクの人は特に、風邪に似た症状が出たら医師の診察を受け、適切な治療を受けるよう強調。過去8週間の発生率と死亡率は2歳までの幼児と65歳以上の高齢者への影響が大きいことを示しているとし、幼児のSARSでは合胞体ウイルスとライノウイルスによる患者も多いと説明。SARSによる死亡率が大幅に高いのは高齢者で、CovidによるSARSが多いという。
6週間のスパンで見ると、アクレ、アマゾナス、ロンドニア、ピアウイ以外の23の連邦自治体はSARSが増加傾向にある。これら22州の州都と首都ではブラジリア、ベロ・オリゾンテ、マセイオー、ナタル、レシフェ以外の18市が増加傾向にある。
2月4日~3月2日の4週間のSARS患者が感染したのは、A型インフルエンザ12・8%、B型インフルエンザ0・2%、VSR11・1%、Covid67・7%だったという。また、この間のSARSによる死者の死因は、A型インフルエンザ3・3%、B型インフルエンザ0・0%、VSR0・0%、Covid93・8%だった。
今年のSARS患者は1万3635人で、死者は968人とされている。