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マリエレ殺害事件=捜査管轄を最高裁に移管=特別職権者が標的と示唆

2024年3月16日

市議時代のマリエレ氏(Dayane Pires/CMRJ)
市議時代のマリエレ氏(Dayane Pires/CMRJ)

 【既報関連】2018年に起きた、マリエレ・フランコ・リオ市議(当時)殺害事件から丸6年となる14日、連警と高等裁が、同件を最高裁の管轄下に移すことを決め、抽選の結果、アレッシャンドレ・デ・モラエス判事が担当者となったと14日付G1サイトなど(1)(2)が報じた。
 マリエレ氏は黒人や同性愛者らの権利を擁護する人権活動家として知られ、2017年にリオ市議に就任。18年3月14日夜も、黒人女性達との集まりに出席し、帰途についた時、後をつけてきた車が追い越した際、この車に乗っていた男が連射した凶弾により、マリエレ氏と運転手のアンデルソン・ゴメス氏が即死し、秘書のフェルナンダ・シャベス氏が負傷した。
 捜査は当初、市警が担当したが、担当者が頻繁に変わるなどしてなかなか進まない。14日付G1サイト(3)によると、それでも、事件から1年後には射撃を担当した予備役軍警(後に罷免)のロニイ・レッサ容疑者と、車を運転していた元軍警のエルシオ・デ・ケイロス容疑者が逮捕された。
 また、ケイロス容疑者の司法取引で明らかになった情報により、23年には、マリエレ氏の動向を監視し、事件に使った車を提供した上、事件後の武器を隠すことにも協力したとされる消防士のマクスウェル・シモンエス・コレア容疑者が逮捕された。12日付アジェンシア・ブラジル(4)によると、検察は同容疑者を殺人や殺人未遂などの嫌疑で陪審裁判にかけることを求めている。
 また、2月28日付G1サイト(5)によると、2月には、事件で使われた車を解体して捜査を妨害した古鉄屋のエジルソン・バルボーザ・ドス・サントス容疑者も捕まった。
 レッサ容疑者は2021年、銃を隠した後、放棄したことで5年の実刑判決を受け、軍警も罷免された。14日付G1サイト(6)(7)によると、事件に関与したと見られていたが、この6年の間に殺された人物も5人おり、同容疑者は彼らの殺害にも関与したと見られている。同容疑者はその件での陪審裁判にもかけられる予定だ。同容疑者は昨年から高等裁や連警と司法取引に関する交渉も行っていたが、正式締結の前に最高裁に管轄が移った。
 なお、事件から6年も経つのに今も判明していないのは殺害を命じた人物とその動機だ。同件の管轄は23年10月に高等裁に移ったが、23年10月2日付テラ・サイト(8)や14日付ジョタ・インフォ・サイト(9)によると、これは、ケイロス容疑者の司法取引で得た情報で、リオ州会計検査局のドミンゴス・ブラゾン評議員の名前が浮上したためだ。高等裁に移管後の捜査の内容は機密扱いだが、同件の管轄が最高裁に移ったということは、新たに捜査線上に浮上した人物が、閣僚や連邦議員、上級裁判所の判事のように、最高裁が管轄する特別職権(foro privilegiado)扱いの人物であることを意味する。最高裁ではレッサ容疑者の司法取引締結も確実視されており、さらなる進展が期待されている。
 同件の捜査は市警警部5人で責任者が入れ替わった後、23年に連警に移った。また、これに合わせて検察の担当者も交代し、現在は7人態勢で捜査を継続中だ。


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