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モロ=パラナ州選挙地域裁で無罪に=判事投票の結果は5対2=最終的な結論は選挙高裁へ

2024年4月11日

9日のモロ氏 (Lula Marques/Agencia Brasil)
9日のモロ氏 (Lula Marques/Agencia Brasil)

 パラナ州選挙地域裁判所で1日から行われていたセルジオ・モロ上議(ウニオン)の選挙法違反をめぐる裁判は、8日と9日に残り5判事の投票が行われた結果、判事投票5対2で、モロ氏の選挙法違反は問わず、上議罷免には反対との結果となった。審理は今後、選挙高裁に回されることが予想されており、モロ氏の処遇は最終的にそこで決まることになりそうだ。9日付CNNブラジル(1)やG1サイト(2)が報じている。
 2022年の上議選で、モロ氏が規定を大幅に上回る選挙資金を使用した嫌疑での裁判は、1日と3日の段階で、報告官のルシアノ・カラスコ・ファラヴィーニャ判事が罷免に反対、ジョゼ・ロドリゴ・サデ判事が選挙検察が勧める罷免に賛成し、1対1のまま、8日に延期となっていた。
 8日の審理は3人目の投票者であるクラウジア・クリスチーナ・クリストファーニ判事から始まった。2022年の上議選キャンペーンの際、隣で写真に写っていたことからモロ氏への有利な判断が予想されたクリストファーニ判事は、「キャンペーンの前段階の費用は含まない」との解釈を行い、「支出が多かったことが当選につながったとは言えない」などとし、罷免への反対を主張したファラヴィーニャ判事に賛同した。
 続くジュリオ・ジャコビ・ジュニオル判事は「もう少し時間をかけて投票したい」とし、審理を9日に延期するよう申し出たが、本来6番目に投票予定だったギリェルメ・フレデリコ・エルナンデス・デンス判事が投票前倒しを求めた。
 デンス判事は、「キャンペーン前の行動は影響しない」とのファラヴィーニャ判事の見解に対しては「2021年のポデモスへの入党式など、影響力があるものはあった」として賛同しなかったものの、「選挙期間中の支出や雇用には問題はない」として無罪に票を投じた。
 9日の審理はジュリオ・ジャコビ判事から始まった。同判事はファラヴィーニャ判事が主張する「モロ氏に先行キャンペーンは必要なかった」との説に対し、「ならばやる必要のないことだった。結果的に規定を大幅に超過した金を使った」として罷免に賛成した。同判事とサデ判事は2月にルーラ大統領が指名した判事だった。
 だが、続くアンデルソン・リカルド・フォガッサ判事は、同判事が独自に計算したモロ氏の支出額は120万レアルで、「規定を破ったとは言えない」として罷免反対に投票。この時点で同地裁でのモロ氏無罪は決定的になった。続くシグルド・ロベルト・ベンツォン長官も、「そこまで大きな財政面の規則違反ではない」として罷免反対に投票。結果は5対2となった。
 結審後、原告の労働者党(PT)ら3党の政党連立「フェデラソン・ブラジル・エスペランサ」の弁護士ルイス・エドゥアルド・ペッシニン氏は、「判決は尊重するが、罷免反対の判事の発言からもモロ氏の先行キャンペーンは明らか」と発言。同じく原告の自由党(PL)の弁護士ブルーノ・クリスタルジ氏も、「票が割れる事実が起きた」とし、共に選挙高裁に上告することを示唆した。
 モロ氏は判決後、ロザンジェラ夫人と共に会見(3)を行い、司法の独立性を示す「灯台」ともいえる判決で、同氏に票を投じたパラナ州民への敬意も払われたと語った。
 モロ氏の最終的な処遇は選挙高裁で決まりそうだが、同じくラヴァ・ジャット作戦の検察主任だったデルタン・ダラグノル氏は昨年、選挙法違反に問われ、パラナ州選挙地域裁で無罪判決を受けたものの、選挙高裁では満場一致で罷免されているだけに、予断は許さない状況だ。


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