site.title

CNJ=LJ担当判事ら4人停職=訴訟進行の不正問われて=ルーラ有罪判決見直しで

2024年4月17日

ハルト判事(X)
ハルト判事(X)

 全国法務審議会(CNJ)のルイス・フェリペ・サロモン判事は15日、パラナ州連邦地裁のラヴァ・ジャット作戦(LJ)担当判事だったガブリエラ・ハルト氏、さらに現在のLJ担当判事と、二審を担当する第4連邦地域裁(TRF4)の判事2人に停職処分を課した。CNJの捜査により、LJの訴訟進行に不正があったとされたためだ。かつては「ブラジル史上最大の汚職捜査」とほめそやされ、ルーラ大統領を有罪、服役に導いたLJにまた一つ疑問を呈する判断が下された。同日付フォーリャ紙など(1)(2)が報じている。
 CNJは、司法機関の構成員に対する苦情や陳述を受けて、その職権乱用や行政上の不正などを審査する内部規律是正のための組織。サロモンCNJ判事の判断で停職とされたのは、ハルト氏、パラナ州連邦地裁第13法廷でLJを担当するダニーロ・ペレイラ・ジュニオル判事、さらに、TRF4のトンプソン・フローレス判事、ロラッシ・フローレス・デ・リマ判事の計4人だ。
 この判断は16日に行われるCNJの全体会議で正式決定されるが、15日のG1サイトの報道で明らかになった。16日のCNJの議題には、ハルト氏、さらに前任(2014〜18年)のLJ判事で現上議のセルジオ・モロ氏の訴訟進行に対する指導的注意も含まれている。
 ハルト氏らの処遇に関する情報は、サロモン判事とCNJ並びに最高裁の長官であるルイス・ロベルト・バローゾ判事の間で見解の相違が起きている間に流れた。モロ氏の処遇に関しては、現在同氏が上議であるため、定かではない。
 ハルト、ペレイラ判事は同件について「話したくない」としており、TRF4はフローレス、ロラッシ両判事の処遇について「決まったこと」としている。
 ソロモン判事の判断は、昨年9月から行われていたパラナ州連邦地裁第13法廷と、TRF4の第8法廷に対するLJ訴訟進行に関する徹底調査に基づくものだ。この調査は220億レアルもの大金を巡る不透明な動きがサロモン判事によって確認されたことで始まった。
 サロモン判事がハルト氏に関して問題にしているのは、2019年1月にペトロブラスとパラナ州連邦検察との間で、25億レアルを米国当局に罰金として払うという司法取引を結んだことだ。これは同年3月、検察のLJ主任デルタン・ダラグノル氏の発言から、「ラヴァ・ジャット基金」として知られることになり、最高裁から差し止めを受けた。この手続きの違法性は当時から連邦検察庁や司法当局から問題視されていたが、ソロモン判事は同件でハルト氏が果たした役割や最高裁命令に対する不従順を問題視している。
 ハルト氏はモロ氏がボルソナロ政権の法相に指名されたことを受け、18年12月にLJ担当判事に就任。19年2月には聖州アチバイアの別荘を介した収賄工作容疑でルーラ氏に12年11カ月の実刑判決を下していた。この判決は2021年4月に最高裁のエジソン・ファキン判事の判断で無効となり、ルーラ氏の出馬権が回復した。
 フローレス氏は2017〜19年のTRF4の長官で、LJの2審にも携わった。ロラッシ判事は司法取引に関する責任者とされていた。
 今回の処分に対してルーラ大統領の労働者党(PT)のグレイシ・ホフマン党首は、「ハルト氏はモロ氏が(2017年に)ルーラ氏を裁いた際の判決文を流用してルーラ氏を裁いたことで知られる人物。フローレス氏は2審の裁判前なのにモロ氏の判決を褒めた人物。それが今や、経理の過失の報告を行わねばならない立場になった。正義に基づいて取り締まる立場から被告になった」との声明を出している。
 なお、連邦判事協会は15日、停職処分はCNJの全体会議で行われるべきもので、単独判事による処分は無効とし、復職を求めている。


連邦政府=財政均衡法の目標を変更=最賃は1502レアルに前の記事 連邦政府=財政均衡法の目標を変更=最賃は1502レアルにサンパウロ州=「性交中に指を噛んだ」=夫が妻をベッドで殺害次の記事サンパウロ州=「性交中に指を噛んだ」=夫が妻をベッドで殺害
Loading...