中東紛争が庶民の懐直撃?=原油価格や為替への影響で

昨年10月からのイスラエルとパレスチナの間の紛争に加え、イランとイスラエルの間でも緊張が高まる中、ブラジル人の懐への影響についても警鐘が鳴らされていると16日付CBNサイト(1)が報じた。
在シリアの大使館領事部への空爆に対するイランからの報復攻撃は13日夜から14日未明に行われ、イスラエル政府が報復に踏み切るかを協議しているが、全面衝突が発生すれば、中東情勢は重大な局面を迎える。
ブラジルは中東紛争には直接関与していないが、中東紛争が本格化すればイランやその周辺国での原油の生産やドル価にも影響が出る。中東紛争による影響が地域限定では済まないことは、ロシアによるウクライナ侵攻後に起きた原油や穀物、肥料などの価格高騰でも明らかだ。
原油生産への影響は国際的な原油価格高騰を招き、ブラジル国内でも燃料費の値上がりや、それに付随する輸送費や公共交通費の高騰、諸経費高騰分の価格転嫁によるその他の製品の値上がりなどを招き得る。ブラジルは陸運中心のため、燃料費の上昇が全ての商品の値上がりにつながることは周知の事実だ。
為替の変動もまた然りで、紛争激化でドルが高くなればレアルの価値が下がるため、輸出には好都合になっても、輸入品が値上がりし、インフレを助長する。
インフレ高進で経済基本金利(Selic)の引き下げが中断されれば、高額商品を分割払いで購入したり、融資を利用することも困難になり、経済活動の停滞なども招く。
15日付アジェンシア・ブラジル(2)によると、アレッシャンドレ・シルヴェイラ鉱山動力相は15日、同省内に作業班を設け、原油価格の推移を観察すると発表したが、中東紛争の今後は庶民の生活まで揺すぶりかねない。