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農牧地=紛争数増だが係争地域減=92万人に影響で記録的

2024年4月24日

農牧地での係争事件が新記録を更新と報じる22日付G1サイトの記事の一部
農牧地での係争事件が新記録を更新と報じる22日付G1サイトの記事の一部

 ブラジル全国司教会議(CNBB)土地司牧委員会(CPT)が22日、昨年の農牧地での係争事件は2203件で過去最多となったと発表したと同日付G1サイトなど(1)(2)が報じた。
 CPTによる統計は1985年に始まり、2019年年以降は高止まりしている。2014年以降の10年間を見ると、14~18件は1380~1636件だったが、それ以後は19年の1963件と21年の1838件以外、20年2130件、22年2050件と2千件を超えている。

死者も出た抗争現場に群がる警官や土地なし労働者達(©MST Oficial/X)
死者も出た抗争現場に群がる警官や土地なし労働者達(©MST Oficial/X)

 係争事件で影響を受けている人の数も22年の92万3556人を上回る95万847人で、過去最多を更新。だが、係争中の土地5万9400ヘクタールは前年比で26・8%減。地域別の係争事件数は、北部810件、北東部665件、中西部353件、南東部207件、南部168件だった。
 係争事件で最も多い土地を巡る争いは1724件で78・2%を占め、内1588件は暴力を伴った。暴力を伴う例の最多は所有地への侵入で、349件が359件に増え、7万4858世帯に被害が及んだ。銃撃は前年比で45%増の264件で新記録。3万6200世帯が被害を受けた。銃撃被害は土地のない労働者130件、不法占拠者49件、先住民47件、黒人奴隷の子孫(キロンボーラ)19件だ。所持品破壊も101件起きた。土地を巡る係争の加害者は農園主31・2%、企業家19・7%、連邦政府11・2%、土地の不法分譲者(グリレイロ)9%、州政府8・3%だった。
 社会運動に対する連邦政府の開放性は高まったが、農業改革と先住民居住地制定は停滞。連邦政府への批判は警察を介した抑圧や殺虫剤の空中散布解除など、他の基本的権利を侵害する政策と関連するものが多い。連邦政府は15日、農地改革プロセスと家族定住促進のためのプログラム「テラ・ダ・ジェンテ」を提唱。利用可能な土地のリストを作って10の範疇に分け、余り争わずに農地改革に利用するという。
 水を巡る争いは11・4%、労働問題は10・4%、抵抗故の係争は6・3%を占めている。農村部での奴隷労働から解放された人は2663人で、過去10年間で最多だった。
 水を巡る争いの加害者は農園主や州政府、企業家、水力発電所、資源会社で、被害者は、先住民24・4%、漁師21・8%、河岸住民13・3%、キロンボーラ12・4%、農地定住者8・4%だという。
 なお、23年は農牧地での抗争で31人が死亡。前年の47人や前々年の36人より減ったが、45・17%にあたる14人は先住民だった。土地なし労働者は9人、不法占拠者は4人、キロンボーラは3人、公務員も1人、死亡した。
 全体の死者数減にも関わらず、前年と同じ8人が死亡したのはアマゾナス州内32市が集まる持続可能な開発地域で、5人はグリレイロに殺された。同地域は木材伐採と家畜飼育のための不法な土地分譲の中心地で、森林伐採や森林火災と抗争の頻発地帯だ。


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