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ブラジル日系社会=『百年の水流』(再改定版)=外山脩=(279)

2025年11月4日


一九五四年三月四日のサンパウロ新聞は、加藤に犯されそうになって逃げた娘の代わりに、岩井静雄という入園者が自分の娘と姪を説得、献上したと報じている。岩井は、

「勿体なくも殿下は、淋しい一人旅であられる。折角の玉の輿を捨てて逃げ出す娘も娘だ」

と嘆いていたそうである。

ある信者は、一九五三年、加藤の命令でその女中と結婚させられた。彼はその女が嫌であったが、母親も勧めるので、結婚式をあげた。

ところが、わずか七カ月で、妻は子供を生んだ。赤子の元気さを見ると、早産とは思えなかった。顔は加藤ソックリだった。

その妻は、要旨、こう語っている。

「田舎に居った時、両親のところに...

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