ブラジル味の素=液体肥料で持続可能な農業に貢献=活用図る日系コーヒー農園

一杯のおいしいコーヒーは大地に優しい肥料から生まれる。ブラジル発の「持続可能なコーヒー」が日本でも注目されている。ミナスジェライス州ウベルランジアから約100キロに位置する広大なバウ農園(フクダタケオCEO)で育てられたコーヒー豆を使用した『ちょっと贅沢な珈琲店EVERBLACK〜ブラジル・ミナスジェライス州より〜』(味の素AGF社)は、ブラジル生産者の顔が見える産地直送の一杯だ。

バウ農園では、日本人移民のフクダトミオさん(タケオさんの父)が日本企業の「改善精神」に基づいて生産管理を徹底。深い情熱と愛情をかけ、地元の人々とともに日々品質に向き合いながらコーヒー豆を生産している。品質チェックが最も厳しい国の一つである日本にも認められる優れたコーヒーをつくるために、目的と責任を持ち、持続可能な農業に取り組むのが信条だ。
理想実現のため、同農園で丁寧に育てられるコーヒーには、サステナブル(持続可能)な農業とフードシステムへの貢献を目指すブラジル味の素社(中村茂雄社長)の液体肥料「AjiFol」が使用されている。「AjiFol」の使用により、バウ農園のコーヒーは、ナチュラルでヘルシー、そしてローストアーモンドのような香ばしい一杯となっているという。

「AjiFol」は、サトウキビなどの農作物原料からうま味調味料を製造する過程で出る栄養豊富な副産物コプロ(発酵液などの副生物、アミノ酸をはじめとした栄養素を豊富に含む)を活かして製造されている。サトウキビ畑でもバイオサイクルの一環でこの肥料が使用されている。ブラジル全土のフルーツ、コーヒーなどの農家にも供給されている。
ブラジル味の素社の中村社長は「バイオサイクルの中で作られた肥料は、サプリメントと似ています。サプリメントが人間の免疫力を上げるように、コプロ肥料は植物の免疫力やストレス耐性を増し、病気にかかりにくくします」と説明する。その効果は、作物の収穫量増加を始め、水量の削減、従来の化学肥料よりGHG(温室効果ガス)排出量を削減することに現れている。
4月9日には5月の収穫を前に、味の素株式会社取締役執行役専務で同社のサステナビリティ活動を管掌する佐々木達哉氏と中村社長がバウ農園を表敬訪問し、フクダCEOと共に農園見学やコーヒーの試飲などを行った。

フクダCEOは、「農業に携わることは、かつてブラジルに移住した日本人の先祖との絆に想いを馳せることでもあります。飲む人に喜んでいただきたいという強い願いから、バウ農園はチーム一丸となって、製品が完成するまでの全工程で、完璧な品質を実現するために努力しています」と語った。
『ちょっと贅沢な珈琲店・EVERBLACK〜ブラジル・ミナスジェライス州より〜』は、AGF社が昨年50周年を迎えたのを記念して商品化された。ドリップタイプとフリーズドライのスティックタイプがあり、日本でオンライン販売されている。AGF社の同商品サイト(1)ではバウ農園及びそのコーヒーについての紹介が行われている。バウ農園のコーヒーはサンパウロ市の日本文化広報施設「ジャパンハウス」でも提供されている。
(1)https://lounge.agf.ajinomoto.co.jp/everblack/minasgerais/