連邦政府=米と豆の輸入を検討=リオ・グランデ・ド・スル州豪雨で農業に大打撃

リオ・グランデ・ド・スル州での洪水で、ブラジルの食卓に欠かせない米と豆の生産に深刻な影響が出ていることを受け、ルーラ大統領が価格高騰を抑えるために連邦政府はこれらの穀物を輸入する可能性があると述べた。7日付フォーリャ紙(1)が報じた。
ルーラ大統領はブラジル通信社(EBC)のラジオ番組で、「この雨でリオ・グランデ・ド・スル州の収穫は大幅に遅れている。バランスをとるため、米と豆を輸入し、国民の収入に見合った価格に調整する必要がある」とし、「現在、私は豆と米の価格を下げるために奮闘しているが、この水害でさらに高くなるかもしれない。バイア州は米生産を増やす必要があり、他の州でも稲の植え付けに資金を提供する必要がある」と述べた。
リオ・グランデ・ド・スル州は国内生産の約7割を占める米の産地だ。同州米研究所(IRGA)によると、稲作の約82・9%は災害前に既に収穫されていたが、残りの約15万ヘクタール(ha)はまだ作業が行われておらず、その内の約10万haが水没していると推定されるという。これはほぼ100万トンの米に相当する。さらに、一部の貯蔵施設も洪水の影響を受けたという。
さらに、道路が土砂崩れや洪水で道路が封鎖されているため、生産物の流通も困難な状況にある。
加えて、土地の浸水は次の収穫のための植付プロセス全体を遅らせる可能性が高い。また、多くの農家が自分の土地に立ち入ることができず、土地や機械の被害状況を正確に把握できていない。
7日付ポデール360(2)によると、全国市町村連合(CNM)は、4月29日〜5月6日に発生したこの洪水による財政損失は9億6720万レアル以上で、この内の4億2380万レアルは農業によるものであると見積もった。ただし、農業の損失額は、非常事態が宣言された336市中25市のみの報告を集計したもので、総額はもっと高くなる可能性が高いという。CNMによると、「人命救助に焦点が当てられている」ため、ほとんどの自治体がデータの集計ができていないという。
ブラジル米産業協会(Abiarroz)は、東南アジアのタイから米を輸入するため、すでに交渉に踏み出していると、8日付G1サイト(3)が報じている。タイはインドに次ぐ世界第2位の米輸出国で、価格と品質に優れている。ブラジルはコロナ禍などの緊急時にも米を購入している。
同協会のアンドレッサ・シルヴァ専務理事は「7万5千トンの米を2〜3隻の船で輸入するよう交渉中だ。これは供給を増やし、需給バランスを安定させる一つの手段だ」と説明した。