リオ・グランデ・ド・スル州豪雨=死者107人、被災者148万人=週末強い雨でダム崩壊警戒

【既報関連】4月28日からの豪雨の爪痕の全貌さえ描けない状態が続くリオ・グランデ・ド・スル州では、一部地域で雨のために中断した以外は、懸命な救出・捜索活動が続いており、9日朝現在の死者は107人、負傷者は374人、行方不明者は136人に増えたと9日付G1サイトなど(1)(2)が報じた。8日朝現在の行方不明者は前日より減ったが、9日は再び増加。水害との関係を確認中の死者は1人に減った。
死者最多はクルゼイロ・ド・スルの8人で、グラマド7人、ベント・ゴンサルヴェスとサンタマリア各6人、カシアス・ド・スルやラジェアド、ヴェルノポリス各5人、ポルト・アレグレとカノアス4人のように続く。避難所にいる人は6万7563人、親戚や知人宅などにいる人は16万5112人と報じられているが、現地メディアなどは、行く所がなく、車中生活をしている人などもいると報じている。

被災市は328で全体の86%に、被災者も148万2006人に増えた。
8日付アジェンシア・ブラジル(3)によると、グアイバ湖の氾濫で洪水が続くポルト・アレグレも、雨で作業が中断した市の一つだが、雨が止んだため、同日中に救出作業を再開。9日朝のグアイバ湖の水位は5メートルを切ったが、氾濫水位の3メートルまではまだ遠い(9日付G1サイト(4)参照)。
8日付アジェンシア・ブラジル(5)によると、8日の悪天候は低気圧に伴うもので、100ミリ以上の雨や降雹を見た所もある。低気圧の影響はパトス湖周辺を含む南部中心で、ペロタスでは危険地区住民に避難勧告が出、学校も10日まで休みとなる。リオ・グランデやジャグアラン、サンロウレンソ・ド・スルなどでも被害が出ている。
9日付G1サイトなど(6)(7)によると、9日は晴れ間が出た所もあるが、寒気が入り、所によっては最低気温が4~8度まで下がった。また、10日から週末にかけては低気圧発生と寒冷前線接近、アマゾン地域からの湿った大気流入で、北部と北東部を中心に強い雨が降る可能性があるため、崩壊の危険度が高いダムの監視も含む警戒態勢の整備も必要だ。8日付アジェンシア・ブラジル(8)によると、同州には崩壊リスクの高く、早急な対応が必要なダムが5カ所ある。
留守宅や支援物資を狙う強盗団や窃盗事件が増えていることで、自宅に戻りたがる人もいるが、被災地域はリスクがより高まるため、戻らないようにとの呼びかけもされている。
各レベルの警察や消防、軍、治安部隊に被災地住民や企業を含めた救出・支援活動は後を絶たず、支援物資の輸送を簡便にする目的も含めた道路の復旧も進められているが、同州政府は9日、公共インフラの修復には少なくとも190億レアルが必要との見解を発表(9日付アジェンシア・ブラジル(9)参照)。国からの支援を容易にするための緊急事態認知の法案は両院を通過しており、8日には地域統合相が被災者向けの資金開放計画に関する省令を官報に掲載(8日付アジェンシア・ブラジル(10)参照)し、企画省も同州への支援費は容易に判別できるようにする意向などを表明した(8日付アジェンシア・ブラジル(11)参照)。8日付アジェンシア・ブラジルなど(12)(13)によれば、外国からの支援物資は免税扱いとなることが決まっており、同州が国に対して負っている負債も支払期限の見直し交渉などが行われている。