リオ・グランデ・ド・スル州水害=大統領3度目の現地訪問=5度以下の寒波、支援策発表

【既報関連】ルーラ大統領が15日、ハダジ財相やパウロ・ピメンタ社会通信局長官といった閣僚やルイス・ロベルト・バローゾ最高裁長官、3軍の長と共にリオ・グランデ・ド・スル州を訪れ、知事らとの会合を行い、避難所も訪問したと同日付テラ・サイトなど(1)(2)が報じた。
大統領にとって3度目となる現地訪問は三権の長が参加する予定だったが、15日付オ・アンタゴニスタ(3)によると、両議長は議会の日程が詰まっていることを理由にブラジリアに残った。14日付G1サイト(4)によると、下院は14日深夜、連邦政府が13日に決めた、リオ・グランデ・ド・スル州の負債の返済を3年間猶予し、この間の利子も免除するための法案を承認しており、上院は15日の午後、同法案の審議を行う。
この日のリオ・グランデ・ド・スル州は晴れ間に恵まれたが、15日付G1サイト(5)によると、山間部では霜が降り、少なくとも20市で最低気温が5度を割る寒い1日となり、ポルト・アレグレでも6・9度を記録した。
大統領の一行はポルト・アレグレ到着後、ポルト・アレグレ大都市圏サンレオポルドの避難所を訪問。15日付コレイオ・ブラジレンセなど(6)(7)(8)によると、約1500人の避難者と触れ合い、「皆が家を持てるようにするから」などと声をかけた。
15日付G1サイトなど(9)(10)によると、連邦政府はサンレオポルドで同州支援のための一連の対策も発表した。その一つは、家を失い、避難所生活を余儀なくされている低所得者世帯への5千レアルの一時支援金「ヴァーレ・レコンストルソン」だ。また、水害で生活基盤が脆弱になっている家族は非常事態宣言が出ている間と復興期間中、生活扶助の支給対象とすることも発表。
月収2最低賃金以下の労働者へのボーナス(アボノ・サラリアル)の前倒し支給や、確定申告後の税の払い戻しは6月に行うこと、5~10月に失業保険受給者への特別支給を行うこと、生活扶助やガス代の扶助も5月中に行うことも併せて発表された。
また、14日付G1サイトなど(11)(12)によると、リオ・グランデ・ド・スル州復興・再建省を創設して、パウロ・ピメンタ社会通信局長官を責任者とし、連邦政府の代表として同州に常駐させることも明らかにした。連邦政府はピメンタ氏は大統領とも懇意で、資金の開放などを迅速にできると説明したが、エドゥアルド・レイテ知事とは事前の話し合いもなく、政治的な立場が異なる人物を指名したことは、知事やレイテ氏を知事に選んだ州民をないがしろにした行為との批判の声も出ている。
なお、15日付G1サイト(13)によると、14日には5・25メートルまで上昇したグアイバ湖の水位はそれ以上上昇せず、少しずつ低下し始めたが、4メートルになるのは19~21日、氾濫水位の3メートル以下になるのはそれ以降のため、避難所は当面、維持される。
14日付アジェンシア・ブラジル(14)によると、教育省は14日、同州では浸水被害や避難所になっているために授業日数不足が生じる学校も多いため、来年、2学年分の授業を受ける生徒が出ることを認めると発表した。
14日付アジェンシア・ブラジル(15)によると、14日夜現在の死者は149人、行方不明者は124人、避難所収容者は7万9494人、親戚宅などにいる人は54万8245人、被災市は446と報告されている。
救助活動はまだ継続中で、15日付G1サイト(16)によると、14日も高層アパートの屋上にいた7人がヘリコプターで救出された。
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