site.title

RS州大水害=農業界で25億レ超の損害=家禽部門だけで1・8億レ=設備や加工場まで被害甚大

2024年5月22日

広範囲に及ぶ水害で経済活動も止まっているRS州(Asgav/Divulgacao)
広範囲に及ぶ水害で経済活動も止まっているRS州(Asgav/Divulgacao)

 【既報関連】4月末からの豪雨による大水害はリオ・グランデ・ド・スル(RS)州全域、全部門に甚大な被害をもたらしており、20日はリオ・グランデ・ド・スル州家禽(家で飼っている鳥類)団体(Oars)が今回の豪雨での家禽部門の損失は1・8億レとの報告を出した。21日からは雨が戻り、グアイバ湖やパトス湖の周辺では洪水被害の再拡大が懸念されている。
 20日付グローボ・ルラルなど(1)(2)(3)によると、Oarsがガウシャ家禽協会(Asgav)や家禽製品組合(Sipargs)と共に行った調査で判明した同部門の損失は5~20日の間だけで1・829億レだという。
 家禽類を扱う農場や農業産業用の建物は、部分損失があった場合で5・99億レ、完全に破壊された施設では440万レの被害を受けたという。この額は、約20の養鶏所や浸水した飼料工場の被害や損失から算出された。また、機械や設備が破壊された食品加工場もある。
 また、設備やモーター、送電網、水道管、発電機、給水タンクの損傷などで活動が再開できない食肉処理場も四つある。農場などでは、家禽飼育用の設備や巣、給餌器、飲水器が壊れ、生産者の損失が増大している。
 遺伝学や有精卵関連の分野の被害も大きく、ブロイラーの雛64・4万羽、有精卵72万2530個、繁殖鶏12万210羽、祖父母鶏2800羽、放し飼いのブロイラーの雛30万羽、放し飼いの地鶏の雛10万羽、卵26万6890個、孵化した雛26万6890羽を失った。肉用鳥の死亡率は27・9万羽、経済的損失は280万レと見られている。失った雌鶏は15万羽で、生産者の被った損失は360万レに上るという。
 また、市場やスーパー、ミニマーケットなどの商業施設が洪水に見舞われ、在庫を失ったり、営業能力がなくて短期債務を払えないなどの流動性損失などの「その他の損失」には1640万レが計上された。トラックなどの車両や包装資材、飼料の在庫の損失も業界の収益に深刻な影響をもたらす。
 ブロイラー鶏における飼料変換率と死亡率の増加も深刻で、損失額がさらに増す可能性がある。
 諸団体は、政府や銀行その他の機関が最大の注意を払い、農村活動や雇用、食料生産を妨げる可能性のある障害や過度の官僚主義を取り除き、資金を必要としている、あるいは必要となる部門に迅速に届くようにすべきとしている。
 他方、17日付G1サイト(4)によると、17日は全国市評議会(CNM)が、農村部での雨の被害は既に25億レを超えたと発表。内訳は農業の被害が23億レ、畜産業は2・26億レだが、全自治体が情報を入力できている訳ではなく、データは部分的だ。
 19日付G1サイト(5)は、停電が続いているのに牛乳回収用の農協のトラックが来ず、絞った乳が腐る前に餌が尽きてきた豚に与えるという方法で、家畜を維持している畜産農家の例も報じている。
 その他の産業も状況は深刻で、13日付コレイオ・ブラジレンセ(6)によると、同州の経済活動は約95%が止まっている。ポルト・アレグレ市の工業地区も浸水被害が深刻で、アルファジョルと呼ばれる菓子の会社は、出荷するばかりだった商品や原材料など、計180万レが水に浮いていると嘆く(21日付G1サイト(7)参照)。影響は州内に止まらず、フォルクスワーゲンは同州産の部品が届かず、聖州内3工場が20日から集団休暇に入った(20日付G1サイト(8)参照)。
 21日付のRS州政府の公式サイト(9)によると、21日9時現在の死者は161人、行方不明者は85人、被災市は464で、被災者は233万9508人、避難所収容者は7万2561人で、親戚宅などにいる人は58万1633人だが、自分の車や橋の下で寝泊まりしている人達がこの数字に含まれているかは不明だ。
 21日のRS州は多くの所で雨が降っており、23日までに100~150ミリとされる雨による土砂崩れや、グアイバ、パトスの両湖の増水による洪水や浸水の被害が広がる可能性などを警告する報道も出ている(17日付アジェンシア・ブラジルなど(10)(11)参照)。

[gallery ids="420838,420915"]


「ロック・イン・リオ」先行チケット発売開始前の記事 「ロック・イン・リオ」先行チケット発売開始Sabesp=州内372市も承認=民営化は最終段階に次の記事Sabesp=州内372市も承認=民営化は最終段階に
Loading...