RS州大水害=知事「州観光業再興に10億レ」=グラマドでホテル300軒営業不能=グアイバ湖の水位が再上昇

【既報関連】4月末からの豪雨で深刻な被害が出ているリオ・グランデ・ド・スル(RS)州では強い雨が降り、19日ぶりに4メートルを割ったグアイバ湖の水位が一時的な上昇を見せた。また、排水施設が部分的にしか機能していないポルト・アレグレ市では清掃を終えた地区で下水が噴き出すなど、市民の苦悩が続いている。
22~23日は120~150ミリの雨との警告は21日夜から出ていたが、23日付アジェンシア・ブラジル(1)によると、国立気象観測所(Inmet)は23日未明、RS州山間部や北西部、東部と西部の中央部、ポルト・アレグレ大都市圏、サンタカタリーナ州の西部と南部などで、強風や雹を伴う強雨が降る可能性があるから、安全確保に努めるようにとの警告を発した。
1日50~100ミリの雨と時速60~100キロの風との予報は、倒木や停電、断水の発生も予想させる。風が強い時は木の下に逃げ込んだり、送電塔、看板の近くに駐車したりないようにとの忠告も出ている。
雨と南東からの風がグアイバ湖やパトス湖の水位低下を妨げることは、22日朝は3・92メートル、同日夜は3・82メートルだったグアイバ湖の水位が、23日未明に3・96メートルに戻ったことでも明らかだ。だが、6時の水位は3・93メートルに低下した(22、23日付G1サイト(2)(3)参照)。
グアイバ湖の水位上昇や降雨は、ポルト・アレグレ市でも特に土地が低く、排水設備も不調なメニノ・デウス地区などを中心に、道路の冠水や家屋や商店への浸水を招いた。市街地の水は水門や土嚢を超えたものではなく、排水が不調なために逆流した下水で、水位上昇はグアイバ湖より速い。
23日付G1サイト(4)によると、今回の豪雨による洪水で起きたレプトスピラ症は、疑似症患者454人、感染確認48人。死者2人に増加。豪雨以前の患者は129人、死者は6人。昨年の患者は477人、死者は25人だった。
19日付G1サイト(5)によると、自然災害で救助作業や避難生活が必要となった時は、汚染水との接触や気管支系疾患の症状がある人との接触、食品類の洗浄・消毒に特別な注意が必要だ。
なお、23日付アジェンシア・ブラジルなど(6)(7)によると、23日朝9時の数字は、死者163人、行方不明者72人、被災市468、被災者234万2460人、避難所収容者6万5762人、親戚宅などにいる人58万1643人、救助者8万2666人、救助された動物1万2440匹(頭)だった。
22日付アジェンシア・ブラジルなど(8)(9)によると、ポルト・アレグレ市長は22日、市内129カ所の避難所にいる人は、子供や青少年4200人、高齢者2880人を含む1万8062人と発表し、清掃と家を失った人への対応を最優先する意向を表明。市役所や市議会は、低所得者や被災者への支援金の増額なども検討中だ。
23日付アジェンシア・ブラジル(10)によると、エドゥアルド・レイテ知事も23日、タクアリ渓谷住民で家を失った世帯用に44平米の家538軒を建設と発表。同州の持ち家政策ア・カーザ・エ・スアから4180万レを投ずる予定だ。
なお、22日付アジェンシア・ブラジル(11)(12)によると、同州の観光地グラマドは土砂崩れなどでホテル300軒とレストラン250軒が営業不能となり、1千人以上が避難所に滞在するなど市の経済が麻痺しており、同知事は22日、州の観光業再興には約10億レが必要と強調。連邦政府に、コロナ禍時同様の所得と雇用維持のための特別措置導入を再要請した。
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