パラナ州=公立校のアウトソース法案承認=教員や生徒は議会前で激しい抗議

パラナ州議会で3日と4日、204の公立校の経営をアウトソースできるようにする法案が審議、承認された。議会の内外では州民による強い反対運動も起きた。4日付G1サイト(1)などが報じている。
公立校の経営権委譲に関する投票は3日に1回目が行われ、39対13で可決された。ラチーニョ・ジュニオル知事(社会民主党。PSD)が率いるパラナ州政府が5月27日に提出した提案は、緊急議題扱いで投票が行われた。
パラナ州政府の提案は、クリチーバのアニーバル・クリー校、サンジョゼ・ドス・ピニャイスのアニタ・カネット校で2023年から試験的に行っていた外部経営例や、カナダ、韓国、イギリスでの例を基に行われた(2)。
3日の審議は、アウトソーシングに反対する多数の教員や生徒が議場で傍聴する中で行われ、議場に侵入した反対派の男女各1人が逮捕された。また、催涙ガス弾も放たれ、ケガ人が出るほどの混乱の模様は全国的に報じられた。侵入事件後の審議は遠隔に切り替えられ、夜になって初回投票を完了。4日の2回目の投票前も、教員や生徒らが州議会の前で抗議運動を行った(3)。
同法案は2回目の投票でも38対12で可決、承認され、ラチーニョ知事が即日裁可した。同法令が適用されるのは、州立校全体の10%強の204校とされている。
野党勢力の一人、リキオン・フィーリョ州議(労働者党・PT)は「2018年に社会保障制度改革が行われた際、教育のアウトソースは禁止されていたはずだ」とし、今回の法案の違憲性を訴えている(4)。