GWM=ブラジル初の自動車生産「ハーバルH6」に=2025年前半量産開始

中国の自動車メーカー長城汽車(GWM)は、メルセデス・ベンツから買収したサンパウロ州イラセマポリスの工場で初めて生産する車両と生産開始時期を発表した。これは現地時間5日、GWMの創業者兼会長である魏建軍(ジャック・ウェイ)会長が、中国を公式訪問中のジェラルド・アルキミン副大統領兼商工開発相と会談した際に直接伝えたという。6日付UOLサイト(1)が報じた。
GWM初のブラジル国産車は、「ハーバルH6」と呼ばれるSUV(スポーツタイプ多目的車)で、組立ラインでの新しい設備のテストと調整のための試作段階の初期製品は、今年後半に生産が始まる予定だという。最終消費者に販売する製品の本格的な生産は、2025年前半に予定されている。同モデルのブラジル仕様はまだ確定していない。
現在、ブラジル市場に出ている同型のハイブリッドSUVは3種類あり、すべて中国から輸入されている。243馬力の従来型ハイブリッド車「HEV2」の希望小売価格は21万4千レアル(約635万円)。393馬力で100%電気モードで100kmの航続距離を持つプラグイン・ハイブリッド車「PHEV34」は27万9千レアル(約829万円)、また、最近発売された「PHEV19」はHEV2とPHEV34の間に位置するモデルで、326馬力の小型バッテリー(電気航続距離は未発表)でキャンペーン価格22万9千レアル(約680万円)だ。
同社では、「PHEV19」販売に際し、キャンペーン価格に加え、最初の購入者には、頭金60%、24回の分割払いでゼロ金利、7kwの無料充電器、ポータブル充電器、買い取り保証、2年間の24時間サポート、Veloe(高速道路や駐車場などでの電子決済サービス)12カ月間月額料金無料、月間3GBのモバイル・インターネット・パッケージを2年間提供するなどの特典を付けている。
また、先着購入者は、8年間(または20万km)のバッテリーのメーカー保証と、車両の5年間保証(走行距離無制限)に加え、2年間のハイブリッド・システムのバッテリー保護が受けられる。(2)
GWMは2023年4月27日、イラセマポリス工場で行われたアルキミン氏を招いたイベントで、24年5月1日からブラジル国内での自動車生産を開始することと、最初のモデルはハイブリッド・フレックス燃料ピックアップトラック「POER」、及び未発表のSUVモデルになると明かしていた。
同社はこの2月、連邦政府が昨年、電気自動車とハイブリッド車に輸入税を課すと発表したことや、向こう4年間の国内自動車産業の方向性を決める「緑のモビリティと革新(Mover)プログラム」が連邦議会で審議中であることから、スケジュールの再調整とより販売台数の多い車両モデルの選択が行われたと説明していた。