RS州大水害=バスターミナルが操業再開=被災地労働者に最賃2カ月

【既報関連】史上最大規模の大水害に見舞われ、再建のために苦闘しているリオ・グランデ・ド・スル(RS)州で、ポルト・アレグレ市のバスターミナルが部分的に操業を再開したと7日付アジェンシア・ブラジルなど(1)(2)が報じた。
グアイバ湖の増水で広範囲で浸水が生じたために1カ月以上操業停止となっていたバスターミナル再開は市外バス限定だが、6時頃に州旗が掲げられると、最初のバスが到着。7時11分には北部海岸へのバスも出発した。
数日前まではボートでしかアクセスできなかったターミナルへの車や徒歩でのアクセスが認められたのは6日で、州旗を掲げて操業再開を宣言した時や最初のバスの発車時には拍手も起きた。7日は他市へのバスが92台出る予定だ。
1日平均240台が出ていたことを考えると92台というのは非常に少ない。だが、市東部のアントニオ・デ・アルヴァーリョ・ターミナルの臨時バス乗り場だけでカバーしていた旅行サービスの拡大を意味する。
7日から再開されたサービスは従来は降車専用だったエリアで提供され、72あるボックス中18だけを使用。券売所の窓口も少なく、売店や2階部分、従来の乗車エリアは封鎖されているが、清掃され、トイレや電気も使える状態に戻ったことは利用者や市民への再建・復興への希望となった。
国家陸路輸送庁の管轄の州間高速道路再開は13日の予定で、現在はまだ、どの会社のどの路線のバスが運行を再開するかの連絡は来ていない。現時点での州間長距離バスの発着点は北部海岸オゾリオ市のバスターミナルで、他州から来る人や他州へ行く人は目的地や出発地と同市との間の交通手段確保が必要だ。
7日にポルト・アレグレのターミナルからバスに乗った一人はミナス州から来たボランティアで、オゾリオ市まで行ってフロリアノポリス行きのバスに乗り換えた後、サンパウロ市でのイベントに参加。来週はRS州に戻り、少なくとも8月までボランティア活動を続けるという。
ターミナル再開は再建・復興への小さな一歩にすぎず、日常生活や経済活動の正常化には時間と労力が必要だし、失業を恐れる人や活動再開時の労働力不足を恐れる企業などの懸念や問題解決には知恵や協力も必要だ。
エドゥアルド・レイテ知事が5日に求めた雇用維持を含めた支援策である、浸水被害を受けた企業の正規雇用者43万4253人に最低賃金を2カ月間支払う代わりに最低2カ月間の雇用を継続する義務、再建支援金5100レの受給世帯増加、政府支援を要請したが対応がまだの被災市への支援金支出を定めた暫定令三つに、連邦政府は6日署名した(6日付アジェンシア・ブラジルなど(3)(4)参照)。
7日付アジェンシア・ブラジル(5)によると、RS州政府も7日に各市防災局向けに1・8億レの支援金送付と発表。この資金は損傷した建物やインフラ、道路の修復や市街地の清掃などに使われる。
7日付アジェンシア・ブラジル(6)によると、カノアス市では他州の専門家の手も借りて不動産の損傷状態などを確認する作業を行っている。だが、水が完全にひかないと実態解明ができず、水がひいた後に生じる二次的損失もあるため、必要な措置の判断にはまだ、時間や人手、資金が必要だ。