RS州大水害=寒冷前線通過で強風雨再発=工業界は6割が停止状態

【既報関連】4月末からの豪雨で甚大な被害を被ったリオ・グランデ・ド・スル(RS)州が15日以降、再び強い雨と風に見舞われ、家屋の崩壊や道路の寸断などの被害も出ている。
15日付G1サイトなど(1)(2)(3)(4)によると、一例は同州北西部ミッソンエス地方サンルイス・ゴンザガ市で、寒冷前線の停滞と国内北部からの湿った空気の流入で大気の状態が不安定になり、15日22時30分頃、時速150キロという強風や強雨、降雹、落雷に見舞われた。被害が特に酷かったのは「微小爆発(microexplosão)」と呼ばれる現象が起きた地区(同市の約30%)で約1200軒の建物の屋根が飛ばされ、四つの学校や考古学博物館、市保健局が入っている建物、保健所2カ所なども被害を受けた。被災者は1万5千人とされている。
同市は同州に入ったイエズス会宣教師達が残した宣教音楽の都で、米の主要産地でもある。防災局は16日早朝に支援のためのスタッフを派遣した。
雨の被害は内陸部に止まらず、17日付SBTサイトなど(5)(6)(7)(8)によると、カイー川が15日夜、氾濫水位とされる10・5メートルを超えたため、ポルト・アレグレ大都市圏サンセバスチアン・ド・カイー市では市民が避難所に逃れ始めた。16~17日は水位がさらに上昇し、14・02メートルに達した上、6~7時にも42センチ上昇。浸水被害が生じた河岸沿いの地区では16日に救出作業も行われ、17日は学校や公共サービスも止まっている。また、カイー川流域のボン・プリンシピオ市では、浸水被害を防ごうとした男性が濁流にのまれて死亡した。
州防災局は17日朝、週末の雨の被害は18市に及んだと発表。17日午後にはカイー川の水位が下がり始めたとの報道もあったが、同州での強雨は19日まで続く見込みで、内陸部で降った雨がポルト・アレグレやその周辺にも洪水被害を持たらす可能性は否定できない。
16日付グルーポ・ア・オーラ(9)によれば、同日夕方現在では、国道386号線、州道130号線などで、橋崩落、土砂崩れ、橋や道路の冠水などによる道路封鎖が起きている。
16日付アジェンシア・ブラジルなど(10)(11)は、17日からはポルト・アレグレ市食糧保管センターも営業を再開し、市内バスの路線も増加と報じているが、同市での週末の雨の影響に関する報道はない。
なお、15日付アジェンシア・ブラジル(12)は、同州工業界の63%は大水害で部分的または全面的に停止したという同州工業連盟の調査結果を掲載。操業を停止した企業の93%の停止期間は30日以内だった。また、大水害で被害を受けたは81%で、主な損失は、生産物の輸送や原材料の受け取りといった物流、人材や協力者との問題、洪水被害を受けた業者からの供給困難だった。具体的な損失は、原材料の在庫31・3%、機械や設備、物理的な施設が各19・6%、最終製品の在庫15・6%となっている。