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G7会議=ルーラ「超富裕層課税を」=各国首脳や法王と次々会談=飢餓対策地球同盟呼びかけ

2024年6月18日

ルーラ大統領とメローニ首相(Ricardo Stuckert/PR)
ルーラ大統領とメローニ首相(Ricardo Stuckert/PR)

 13日から15日にかけてイタリア南部でG7首脳会議が開催された。14日から招待で参加したルーラ大統領は、演説で超富裕層からの高額税金徴収を擁護した。また、期間中、欧州各国の首脳やローマ法王などとも会談を行っている。14日付ヴェージャ誌サイト(1)が報じている。
 ルーラ大統領は開催国イタリアのメローニ首相の招待を得、G20の代表として特別参加した。
 14日に演説の機会を得たルーラ氏はG7の首脳たちの前で、「今こそ超富裕層に対して大型の課税を行うべき時だと思う。現在のように富や権力が一部の人や組織に極度に集中する状況は、民主主義への危機にもなりかねない」との持論を展開した。大統領は、「私がこうしてG20を代表して参加しているのは、世界の別の側の現実を主張するためだ」とし、自身の立場を改めて説明した(2)
 リオ市でのG20の国際会議は11月18~19日に予定されており、ルーラ氏は同会議に先立って行うキャンペーン「飢餓対策地球同盟」への参加も呼びかけた。
 また、大統領は人工知能(AI)に対しても、「ネット社会で急速に台頭しているAIの存在は、一握りの人間や企業にあらゆるものが集中する状況をさらに加速し兼ねない」として警鐘を鳴らしている。
 ルーラ氏のこれらの主張は、13日にスイスのジュネーブで行われた国連国際労働機関(ILO)の会議で行った演説でも主張されていたことだった。
 ルーラ大統領にとり、14日はかなりの強行スケジュールで、G7会議と並行して、ローマ法王やフランスのマクロ大統領、インドのモジ首相、欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長、トルコのエルドアン大統領と会談を行っている。
 ローマ法王とは国際平和や飢餓撲滅などについて話し合ったが、大統領の最大の目的は、パラー州ベレンで来年開催される環境国際会議のCOP30に出席するよう法王に求めることだった。
 マクロン大統領とは同大統領が4月に来伯して以来の短い期間での会談となった。9日の欧州議会選で惨敗を喫したマクロン氏とルーラ氏は、民主主義や環境問題について話し合っている。
 モジ首相とはBRICS諸国の首脳同士である上、G20議長国を昨年12月に受け継いだ間柄でもある。両者はG20会議やウクライナ紛争の解決策などについて語っている。
 また、エルドアン大統領からはBRICSに加盟したいとの依頼を受けた。それに対して、ルーラ氏は前向きな姿勢を見せている。
 サミットの最終日となる15日、ルーラ氏はドイツのショルツ首相、さらに開催国イタリアのメローニ首相と会談を行った。同じ左派政党所属ということもあって旧知の仲のショルツ首相には改めて、飢餓対策地球同盟への参加を呼びかけている(3)
 また、極右主義者であることから懸念の声もあったメローニ首相に対しても、ルーラ大統領はG7サミットの成功を祝し、さらにリオ・グランデ・ド・スル州大水害への支援への感謝を示した。これに対し、メローニ首相はルーラ氏のG7参加に謝意を示し、ブラジルとイタリアの歴史的関係などについて話し合っている(4)


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