RS州大水害=グアイバ湖の水位上昇=4地域に分けて救出作戦

【既報関連】4月末からの豪雨で甚大な被害を受けたリオ・グランデ・ド・スル(RS)州が週末からの雨で再び水害に見舞われており、同州政府が州内を四つの地域に分けて救出作戦やその準備を進めていると18日付アジェンシア・ブラジル(1)が報じた。
州防災局災害対策室がより大きな予防的配慮が必要と判断したのは、カイー渓谷とタクアリ渓谷、ガウッシャ山脈、北部海岸だ。週末からの雨は当初、19~20日頃までとされていたが、週末まで続く見込みだ。
今回の救出作戦には、海軍や同州軍警消防隊の船舶、航空機4機と、軍の兵士や軍警が投入されている。航空機は同州所有のもの3機とサンパウロ州からのもの1機が配備されている。同州政府は、より多くの航空機と船舶を配備するため、軍にも協力を求めている。
特別対策室は、地滑りに対応できるように訓練された兵士や救急隊と警察犬も用意している。現時点では、カイー渓谷とタクアリ渓谷では洪水、ガウッシャ山脈と北部海岸では地滑り(土砂崩れ)の危険があると見られているという。
予報では、タクアリ川とカイー川は既に氾濫水位を超えており、市街地でも浸水被害や道路の冠水が起きている。カイー川は19日に若干の水位低下を見たようだが、内陸部の雨が流れ込むグアイバ川やグアイバ湖の増水は19日以降も続く。グアイバ湖は19日の時点で氾濫水位を超えており、ポルト・アレグレなどでも浸水被害が生じている19日付G1サイト(2)参照)。
激しい雨と同時に警戒が必要なのは突風だ。リスクが高い州北部では、降水量が50~90ミリ/日に至る見込み。リスクが特に高いと見られているのはミッソンエス、カンパーニャ、渓谷部、ガウッシャ山脈、北西部で、70キロ/時を超える強風が吹く可能性がある。州南部では40~50キロ/時の見込みだ。
18日現在で被害が出ているのはアルボレジーニョ、ベント・ゴンサルベス、ボケイロン・ド・レオン、カネラ、カシアス・ド・スルなどの19市。被害が特に大きかったのは、大量の雨を含んだ雲が耐え切れなくなって、激しい突風を伴う短時間の大雨を降らせる微小爆発が起きたサンルイス・ゴンザガで、400人が家を失い、1人が負傷、約1万5千人が被災した。
18日の州防災局の発表によると、RS州大水害による死者は177人に増えた。行方不明者は37人、被災市は478で、現在も約1万人が避難所で暮らしているという(18日付アジェンシア・ブラジル(3)参照)。