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宝飾品疑惑=前大統領関与の証拠=連警捜査で明らかに=ネット転売で現金化

2024年7月11日

公開されたボルソナロ氏とシジ容疑者のやり取り(Reproducao)
公開されたボルソナロ氏とシジ容疑者のやり取り(Reproducao)

 8日、ボルソナロ前大統領がサウジアラビアなど中東からの宝石などの贈呈品を横領した嫌疑に関して、連邦警察がまとめた報告書の内容が明らかにされた。それによると、前大統領も贈呈品の転売に関与していたことが、元大統領側近のマウロ・シジ容疑者との携帯電話での通話内容で、複数の証拠と共に確認されている。報告書によると、前大統領は時計を売って得た金を現金で受け取ったことになっている。同日付エスタード紙(1)などが報じている。
 この報告書は8日に、最高裁のアレッシャンドレ・デ・モラエス判事の許可を受けて公表された。モラエス判事は、4日に連警が書類送検した、ボルソナロ氏及び11人の容疑者によるサウジアラビアからの贈呈品横領などに関する最高裁の担当判事だ。 報告書によると、連邦警察は、ボルソナロ氏が宝石の転売に関し、シジ容疑者に「了承」との返事を行った証拠を見つけたという。
 それによると、シジ容疑者は2023年2月4日にワッツアップで、贈呈品の競売に使うネットオークションのサイトのリンクを前大統領に送付。前大統領はそのサイトにアクセスした後、「セルヴァ」と返答していた。この通話内容は報道により、現物が示されている。
 「セルヴァ」は軍隊用語で、アマゾナス州マナウスのジャングル戦争訓練センター(ゲーラ・ナ・セルヴァ訓練センター)で兵器門にいる兵士が兵舎から出る車両の行先を尋ねると、ほとんど常に「セルヴァ」という返答が返ってくることから、当然行くべき所を指す言葉と理解されていた。連警はこの言葉を、前大統領がオークションにかけることを了承したことを示す表現と理解している(2)
 連警はまた、ボルソナロ氏自身が、転売した時計の一つのパテック・フィリップ社の腕時計の査定をシジ容疑者に依頼していたとの報告も行っている。この時計は2021年11月にバーレーンから贈呈されたもので、ボルソナロ氏はこれを入手後、ネットで調べて見つけたと思しき、5万1千ドルで販売されている同型の時計の広告をワッツアップでシジ氏に送っていたことが確認されている(3)
 シジ氏は22年6月に渡米した際、プレシジョン・ウォッチズ社でこの時計の査定を行っている。前大統領はバーレーンから同時に贈られた金の彫刻同様、この時計に関しても、大統領府歴史保管局への報告を行っていなかった。
 連警はさらに、シジ容疑者の父で予備役軍人のマウロ・ロウレナ・シジ氏が時計を転売して得た金を、現金でボルソナロ氏に渡したと記している。それによると、売られた時計はパテック・フィリップ社のものとサウジアラビアから贈呈されたロレックス社の二つで、合計金額は6万8千ドル。売上金はマイアミに在住していたロウレナ氏が直接受け取り、22年9月、23年2月、3月の3回に分けて届けたという。(4)
 その内、1回目の金はボルソナロ氏自身がニューヨークで受け取ったという。連警は同年9月22日にボルソナロ氏がニューヨークのオムニ・バークシャー・ホテルでシジ親子と会食している写真を入手している。
 また、残りの2回の金を受け取ったのは大統領側近だったオズマル・クリヴェラッティ氏だという。クリヴェラッティ氏も、今年3月に行った司法取引でこの事実を認めている。
 報告書には、贈答品の一部は22年12月にボルソナロ氏が米国に向かった大統領機で国外に持ち出していたこと(5)や、ボルソナロ氏が米国に滞在していた間、同氏の銀行口座の金は動いておらず、当時の経費は贈答品を売却した金で賄っていたと見られる(6)ことなども記されている。
 ボルソナロ氏はこの報道後、連警が計算違いとの理由で、ボルソナロ氏ら12人による損害額を2500万レアルから680万レアルに修正したことを受け、「他にもきっと間違いがあるはずだ」と皮肉った(7)。10日付オ・グローボ紙でベラ・メガリ氏は「この報告書公表後、PLメンバーによると、ボルソナロ氏は宝飾品の売却を命じたとはっきりと言い始めた。元大統領は、大統領府財産管理局のせいにするつもりだと示唆し、贈り物は好きなように扱ってよいと指導を受けたと述べるようだ」と報じた。


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