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ボルソナロ=州都市長選で知事らに接近=PLよりも知事の意向重視=26年逆転出馬の勢力作りか

2024年7月24日

22年大統領選時のボルソナロ氏(Tomaz Silva/Agencia Brasil)
22年大統領選時のボルソナロ氏(Tomaz Silva/Agencia Brasil)

 ボルソナロ前大統領が州都の市長選で積極的に自身に好意的な州知事に接近し、知事たちの意向に沿うシャッパ(連立名簿)を形成する一方、自身が所属する自由党(PL)候補が立てられず、摩擦も生んでいると、22日付フォーリャ紙(1)が報じている。
 今回の市長選でのボルソナロ氏は、2022年の大統領選の決選投票時に自身への支持を表明した州知事への接近が目立っている。大統領選で支持を表明した州知事は全部で13人で、その大半の州の州都市長選では、知事とボルソナロ氏の思惑によるシャッパが組まれている。
 現時点でボルソナロ氏の意向が反映された州都市長選のシャッパは、聖市、リオ市、アクレ州リオ・ブランコ、サンタカタリーナ州フロリアノーポリス、パラナ州クリチーバ、南マット・グロッソ州カンポ・グランデと、22日に決まったばかりのリオ・グランデ・ド・スル州ポルト・アレグレの7市に及ぶ。
 PLは当初、これらの州都の内、6市で独自候補を擁立しようとしていたが、4市で出馬を取り下げている。
 ただ、それがゆえに、この路線にはPL内部やボルソナロ氏の支持者からの反発も少なくない。例えば、サンパウロ市ではボルソナロ氏の後継者と目されるタルシジオ・デ・フレイタス・サンパウロ州知事(共和者・RP)の意向を汲み、同知事と懇意の現職市長リカルド・ヌーネス氏(民主運動・MDB)の副候補にリカルド・アラウージョ・メロ氏を立てた。
 しかし、本来中道路線のヌーネス氏を推すことに関し、熱心なボルソナロ派市民の間では、以前からネットでボルソナロ派を公言しているインフルエンサーのパブロ・マルサル氏(労働刷新党・PRTB)を推すべきではないのかと疑問を呈す声が目立っている。また、PL内でも、ボルソナロ政権時代の環境相のリカルド・サレス氏が出馬を熱望していたにもかかわらず、承認が得られないなど、しこりを残すものとなっている。
 同様のことは南マット・グロッソ州でも起こった。カンポ・グランデ市長選では、エドゥアルド・リエデル知事の意向を汲み、同知事と同じ民主社会党(PSDB)のベト・ペレイラ下議の副候補をつけるのに甘んじたが、同州のPL州議たちは知事と対立しており、PLからの候補擁立を支持していたマルコス・ポロン下議が州支部役員を下ろされた。また、ボルソナロ政権時代の農相のテレーザ・クリスチーナ上議(進歩党・PP)は現職のアドリアネ・ロペス市長(PP)の副候補をPLからと希望していたが、それも叶わなかった。
 また、クリチーバでは知事が推す副市長のエドゥアルド・ピメンテル氏(社会民主党・PSD)の副候補を選ぶこととなったが、同市のPL市議たちは副市長が地元の少数独裁政治家とつながりがあることを嫌っている上、現職のラファエル・グレカ市長(PSD)と対立状態にある。
 ボルソナロ氏がそこまでして知事の意向にこだわるのは、出馬禁止を命じられている2026年の大統領選で逆転出馬の後押しになるように、知事たちを見方につけたいためだと言われている。
 その反面、22年の大統領選で自身を支持した知事の中でも、ロメウ・ゼマ知事(ノーヴォ)のミナス・ジェライス州ベロ・オリゾンテ、ロナウド・カイアード知事(ウニオン)のゴイアス州ゴイアニアに関しては、PLが独自候補を立てている。これは、両知事の26年大統領選出馬が有力視されているからではないかと見られている。


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