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保健省=オロポーチ熱の死者確認=バイアで2人、確認中も

2024年7月27日

オロポーチ熱を媒介するヌカカ(Fiocruz)
オロポーチ熱を媒介するヌカカ(Fiocruz)

 保健省が25日、オロポーチ熱による死者が2人出たことを確認したと同日付アジェンシア・ブラジルが報じた。(1)(2)
 23日付アジェンシア・ブラジルによると、亡くなったのはバイア州内陸部に住んでいた女性で、ヴァレンサ市に住んでいた21歳女性は3月27日、カマム市に住んでいた24歳女性は5月10日に亡くなったが、疫学的な検査で死因が確定したのは今月22日だった。
 バイア州保健局によると、二人共、基礎的疾患はなかったが、発熱、頭痛、目の奥の痛み、筋肉痛、吐き気、嘔吐、下痢、下肢の痛み、倦怠感などを訴えていた。また、体に赤や紫の斑点ができ、鼻や歯肉、性器からの出血、血圧低下に伴う眠気、重度の出血、血液中のヘモグロビンと血小板の急激な低下なども起きていたという。
 オロポーチ熱による死者は国内初で、世界的にも報告例はないようだ。
 死因が確定した死者は2人だけだが、死因を確認中の死者はサンタカタリーナ州にも1人いる。
 昨年のオロポーチ熱感染者は832人だったが、今年は16州で7236人の疑似症患者が報告されている。従来のオロポーチ熱患者発生は北部に限定されていたが、昨年以降、他の地域でも感染が確認されている。
 汎米保健機構は、アマゾン地域にあり、他国と国境を接しているアマゾナス、アクレ、ロライマの各州での感染者の増加に注意を喚起し、18日には感染学上の警告も出した。
 警告では、ペルナンブコ州で妊娠30週の妊婦が発症し、感染が確認された時点で胎児死亡も確認された例に言及。同州では同病に感染した妊婦が流産を起こした例も報告されている。
 保健省は、サンタカタリーナでの死者の死因を確認するのと並行して、ペルナンブコ、バイア、アクレの各州から報告が出ている妊娠中断例4件と、小頭症児の誕生例2件についても因果関係を調査中。他方、マラニョン州での死者1人は同病によるものではないことが確認されたと発表された。
 一連の調査は、エヴァンドロ・シャーガス研究所により、死亡した胎児からオロポーチ熱を引き起こすウイルスが検出された上、小頭症の新生児4人から同ウイルスに対する抗体が見つかったことを受けて始まった。
 保健省によると、現時点ではまだ、同病に感染した妊婦からの胎内感染や小頭症発生に関する科学的な証拠は見つかっていないという。
 オロポーチ熱はオロフウイルスによるウイルス性疾患で、ブラジルでは1969年に初めて、ウイルスが分離された。北部で同病を媒介する蚊の大半はマルイムとも呼ばれる小型のヌカカだが、アカイエカの一種によっても伝染する。
 主な症状は前記のようにデング熱と似ており、2~7日間続く。最大で60%の患者は最初の症状発現から1~2週間後に症状の再発を見る可能性があるが、ほとんどは良性で後遺症を残さず回復する。現時点では特効薬や予防接種ワクチンはなく、対症療法を受けるしかない。


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