site.title

サンパウロ州=旅客機墜落62人全員死亡=国民に衝撃与える大惨事=大統領が3日間服喪宣言

2024年8月13日

事故現場(Reproducao)
事故現場(Reproducao)

 9日午後、サンパウロ州内陸部ヴィニェードで乗員・乗客62人を乗せたヴォエパス・リーニャス・アエリアス(旧パッサレード)社2283便が墜落。62人が全て死亡する大惨事が発生。現地メディアは連日トップニュースで報道し、国民に衝撃と悲しみを与えている。同日付G1サイト(1)が報じている。 事故は9日13時22分頃、州都サンパウロから北東75キロに位置するヴィニェード市で起きたヴォエパス社2283便(ATR72―500型機)は同日11時58分に、パラナ州カスカヴェルの空港を発っており、大サンパウロ市圏グアルーリョス空港に13時50分に着陸する予定だった。
 同機は13時20分までは1250メートルの上空を飛んでいた。だが、13時21分からは連絡が取れなくなり、錐もみ状態で1分につき4千メートルの速さで急降下。13時22分にレーダーから機影が消えた後は、1分もしないうちにヴィニェード市カペラ区にある塀で囲まれた集合住宅(コンドミニオ)「レカント・フロリド」の敷地内に落下し、炎上した。
 同コンドミニオの敷地は広大で緑が豊かだったことが幸いし、飛行機は建物に激突することなく、地面に激突。すぐに炎上したが、落下地点に住民はおらず、地上での死傷者は出なかった。事故の惨状は、敷地内に設置された監視カメラの映像によってすぐに拡散された。
 機内には乗客58人と乗員4人が乗っていたが、全員即死だった。搭乗者数は一度、61人に訂正されたが、その後に乗客リストに登録されていない乗客が1人いたことが判明。正式に62人となった。この数は、飛行機事故の死者数としては、2007年7月17日にサンパウロ市コンゴーニャス空港で起きたTAM機の着地失敗による死者199人(搭乗者と地上勤務者)に次ぐ規模のものとなった。
 救急作業は事故直後から行われ、10日夜には遺体の回収も終えた。身元の確認は聖市の法医学研究所(IML)で行われているが、遺体は炭化しており、判別が難しいという。
 亡くなった62人の中には、パラナ州連邦大学の女性教授、カスカヴェルの隣のトレド市在住で10月の市議選に出馬予定だった女性、セアラー州の男性企業家、カスカヴェルの女性弁護士、男性DJ、カスカヴェルに企業研修に来ていた男性、リズちゃんという名の3歳の女児、ベネズエラ国籍のホスランちゃんという5歳男児などが含まれている(2)
 ルーラ大統領はサンタカタリーナ州イタジャイーで行っていた海軍空母フラガタ・タマンダレーの竣工式の最中に事故の知らせを受け、その場で参加者に事故発生を告げた後、1分間の黙祷を捧げた。大統領は3日間の服喪を命じる大統領令も発令した(3)
 2283号機の墜落原因については、航空機事故調査予防センター(Cenipa)やサンパウロ州市警が調査を開始済みだ。ブラックボックス2個は回収され、11日昼過ぎに操縦室での録音記録などは100%抽出したとCenipaが発表。原因解明にはフランスなどからの専門家も参加する(4)
 同機は2010年製造で、飛行前の点検では問題は確認されていなかったが、3月に油圧系統で異常が確認された上、滑走路との接触事故で構造的な損傷が生じたとして、4カ月間、航行不能となっていた(5)。また、正操縦士として墜落機を操縦していたダニーロ・ロマーノ氏が1カ月ほど前、ヴォエパス社の別の飛行機のエンジンが引火したことを報告していたことなどが判明している(6)
 同社の航空機のメンテナンス全般に関する報告は出ていないが、現場付近を飛んだ機の機長や専門家は事故機の翼に急速に氷がまとわりつき、事故につながった可能性を示唆する証言も行っている。翼に付着した氷は翼の空気力学的な流れを妨げ、航行不能とする可能性がある(7)
 他方、乗客の一人が家族に送ったメッセージの中には、機体が古く、壊れている座席もあり、怖いと書かれたものがある。また、遺族の中からは、「あの飛行機は古いブリキ缶だから、誰だって死ぬわ。死亡事故ではなく、犯罪よ」という声も出ている(8)


PRTB=サンパウロ市副支部長は誘拐で服役=党首のPCCとの関係告白に続き前の記事 PRTB=サンパウロ市副支部長は誘拐で服役=党首のPCCとの関係告白に続き【12日の市況】ボベスパ指数は0.38%上昇して131,115.90ポイントとなり5回連続高=商業ドルは0.34%安の5.49レアルとなり5回連続で最安値更新次の記事【12日の市況】ボベスパ指数は0.38%上昇して131,115.90ポイントとなり5回連続高=商業ドルは0.34%安の5.49レアルとなり5回連続で最安値更新
Loading...