ONS=火力発電所の早期稼働を擁護=水資源保護や水不足回避狙い

全国電力システム運営機構(ONS)が20日、全国的な少雨で期待通りの降水量が望めず、北部では特に、電力需要がピークとなる時期の水力発電所の利用可能性が低下しているとして、火力発電の利用と火力発電所の早期稼働を擁護する声明を出したと20日付G1サイトなど(1)(2)が報じた。
電力消費量は季節や天候、時間帯により変化する。特に増えるのは気温が高い夏の夜で、電力供給量が落ちる太陽光発電や供給量が不安定な風力発電を除いた水力発電が主役となるが、今年の水力発電所の貯水ダム貯水量は平年を下回っている。このため、ONSは8月初旬に、消費量が増える夏の夜の需要に応えるため、10~11月には追加運用や予防策採用が必要と電力セクター監視委員会に進言している。
ただ、ONSは同時に、火力発電所の早期稼働を擁護するのは電力供給にリスクがあるためではなく、火力発電所を稼働させることで水力発電所の負荷を減らし、水資源を保護して水不足を回避するためと強調。北部サブシステムの貯水池貯蔵エネルギー(EAR)レベルは80・96%で、昨年同期の85・6%より低いが、国家相互接続システム(SIN)には需要に応える十分なリソースがあるとしている。
少雨、干ばつは既に火災発生や給水制限の多発を招いているが、火力発電稼働は電気代上昇も招くため、新たなインフレ圧力も生じ得る。
なお、早期稼働の具体例は天然ガス仕様で26年稼働開始予定のペルナンブコ火力発電所(UTE Termopernambuco)で、ONSは今年10月からの稼働開始を勧めている。