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平年5度上回る異常高温乾燥=8月火災件数は前年比倍以上

2024年9月3日

1日に発表された要警戒地域を示す地図(Inmetより)
1日に発表された要警戒地域を示す地図(Inmetより)

 国立気象観測所(Inmet)が1日、中西部と南東部中心に湿度が12%を切る異常乾燥状態が起きており、森林火災や、肺疾患、頭痛などの健康上の問題が起こるリスク増で警告を発したと1日付アジェンシア・ブラジル(1)が報じた。2日にはクリマテンポも、19日以降は寒冷前線が接近するが、中旬までは熱波が居座り、中西部では40度を超える所も出るとの予想を発表したと2日付G1サイト(2)が報じた。
 いずれの場合も、中西部中心に少雨と高温が続き、異常乾燥、干ばつが悪化する可能性を示している。Inmetは、水分を十分に摂り、日中は屋外での活動は避けること、直射日光を避け、保湿剤を使うこと、加湿器で湿度を保つことなども指導している。
 新たな熱波は平年を5度程度上回る高温と異常乾燥、干ばつの他、火災多発や延焼拡大のリスクの高まりも招く。この傾向は8月から続いており、その範囲もサンパウロ州内陸部から中西部、アマゾン地域まで広がっている。
 8月下旬は寒冷前線通過で一時的に状況が緩和した地域もあったが、2日付G1サイト(3)によると、国立宇宙研究所(Inpe)のデータで見た8月の火災発生数6万8635件は9万444件だった2010年以来の多さで、2万8056件だった2023年の倍以上となった。1998年の統計開始以来の8月の平均は4万6429件で、最少は2013年の約2・1万件。今年8月は史上5番目に火災が多かったという。
 8月の火災の中心はアマゾン地域とセラードで、両者だけで80%を占めた。アマゾン地域の8月の火災件数は3万8266件で、昨年同期比で120%増。年頭から1日までの累計は昨年同期比で104%増の6万5667件だ。1日付アジェンシア・ブラジル(4)によると、緊急事態を宣言したパラー州では、8月25~31日だけで1千件以上の火災が起きた市が二つあった。
 セラードでの火災は8月が1万8620件で、昨年の6950件比で172%増えた。1~8月の累計も4万496件で昨年同期を70%上回っている。
 パンタナルの火災多発も懸念事項で、8月28日付G1サイト(5)によると、同日はマット・グロッソ・ド・スル州ポルト・ムルチーニョのカジウェウ先住民居住地の60%が焼失する事態も起きた。8月31日付G1サイト(6)によると、同州では鉄道沿いの火災を招いた人達への罰金が1億レアルを超え、人為的な火災の多さを物語っている。
 サンパウロ州内陸部の大規模火災は8月26日に鎮火が宣言されたが、異常乾燥状態は続いており、8月31日にはフランサ、リベイロン・プレット、サンジョゼ・ド・リオ・プレットの3地方5市で火災が発生のように、緊急事態が続いている(8月31日付アジェンシア・ブラジル(7)参照)。8月26日付R7サイト(8)によると、8月の出火件数は8月26日現在で3千を超え、1998年の統計開始以来最多だ。サンパウロ州は1日も645市中641市が異常乾燥状態で、森林火災回避のため、州政府が州内80カ所の公園や環境保護区を2~12日の間、閉鎖することを決定した(2日付G1サイトなど(9)(10)参照)。
 8月22日から26日まで続いたサンパウロ州内陸部の火災では、出火地点の80%がわずか90分間で広がるなど、不審な点も多く、既に10人が逮捕されている(8月27日付G1サイトなど(11)(12)参照)。


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