大阪・サンパウロ市=万博でビジネス交流促進=姉妹都市55周年記念セミナー

大阪・サンパウロ姉妹都市提携55周年を記念した「大阪ビジネス・セミナー」が、8月23日午前10時半からサンパウロ市パウリスタ大通り沿いの日本文化広報施設ジャパンハウスで開催され、両市関係者など約80人が出席した。
セミナーでは、高橋徹大阪市副市長、大阪・サンパウロ姉妹都市協会会長でタカラベルモント社会長兼社長の吉川秀隆氏らが講演。来年4月から同10月まで大阪市内の夢洲で開催される「大阪・関西万博」に向けた取り組みなどをアピールした。
「大阪市のビジネス・ポテンシャル」についての講演を行った高橋副市長は、今年の海外からの観光客見込み数が約1400万人とコロナ禍前の2019年と比較して14%増加する見通しであるとし、大阪駅周辺の再開発等により「次世代モデルの都市開発」が進行していることを強調した。
また、来年開催の「大阪・関西万博」については、161の国と地域及び9つの国際機関が参加予定で、期間中に2800万人の来場数が見込まれているという。高橋副市長は「万博を契機に海外とのビジネス交流を活発化させ、大きなビジネスチャンスになることを期待している」と述べ、サンパウロ市からのビジネス使節団の受け入れにも意欲を示した。
一方、吉川氏は1970年の大阪万博にタカラベルモント社として出展し、来年の「大阪・関西万博」にも参加することから「企業として万博に出展する意義」について講演。同社が美容院・歯科用の椅子をはじめ、分娩台等の製造販売も行っていることを説明し、70年の万博では「美しく生きる喜び」をテーマに出展会場には150万人の予想を上回る350万人が来場したことに言及した。

特に、万博出展の意義について吉川氏は(1)国内外の企業に同社を認知してもらったことで、業界からの信用を得たこと(2)デザインの必要性に気付いたこと(3)万博での成功体験により、社員の意識・自信向上につながったこと、の3点を挙げた。
来年の「大阪・関西万博」で同社は「ヘルスケア(心身の健康維持・回復に関わる分野)」のパビリオンに出展するとし、吉川氏は「これからの宇宙時代にも対応できるヘルスケアができるようになる」と述べ、ブラジルをはじめ海外からの来場に期待していた。